まず駅前の文房具屋まで行って水性マジックペンを買い、それで直筆の手紙を書きました。
彼女との楽しかった思い出を中心に「きっかけはろくでもなかったけど、ありがとう……」としたためた文面に、数滴の水を垂らし字を滲ませた“涙を流しながら書いた風手紙”を作ったんです。
だって涙を流しながら書いた手紙が置いてあったら絶対ちょっと“トクン…”みたいになるじゃないですか! 当時は真剣にそう思ったんですよ!
思い出すだけで具合が悪くなって胃から熱いものがこみ上げてきます。でも、とにかく一矢報いてやりたかったんです。
後日、帰ってきたら彼女の荷物はなくなってて、手紙もなくなってました。
ゴミ箱にも見当たらなかったので、手紙は読んで、持っていってくれたようです。
おそらく”涙を流しながら書いた風手紙”はそれなりに効果を発揮し、彼女はちょっとした罪悪感を覚えながら家を出たのでしょう。
「これで彼女の心の中に僕という“爪跡”がちょっとでも残ればいい……」
当時はそんなことを考えました。今は思い出すたびにこみ上げてくる吐き気を抑えるのに必死です。
ちなみにこれは後日談なんですけど。
大学を卒業して、特に就職活動をしなかった僕はそのままフリーターになりました。
それで、とあるパチンコ屋に面接希望の電話をかけて、店舗に行ってみたら、そこのバイトリーダーに例の同棲してた彼女がいたんです。
よくドラマとかで「数年前に別れた元恋人と奇跡の再会(そして復活愛…)」みたいなのあるじゃないですか。現実はこんなもんですよ。
めちゃくちゃ気まずかったし面接も当然落ちました。クソが!
この手の痛いネット恋愛、何度も何度も繰り返しました。
でも、ある時手の震えが止まらなくなっちゃって、「こんなことばっかりしてると本当に頭がおかしくなる」と思い、それ以降は控えてます。
なので、今となっては完全に黒歴史です。
皆さんあんまりインターネットの人とオフ会したりセックスしたりしない方がいいですよ。手の震えが止まらなくなりますから。
みつばさんプロフィール
Web制作会社の社員ライターをしている30代男性。
20代後半で零細出版社に就職し、数年ほどアダルト編集部員を務めた経歴を持つ。
オンラインの遊びとしてTwitterを始め、趣味や興味に関することを気ままにツイートし続けている。
過激な発言や下ネタが多いが、フォロワーには女性が多い。
最近はソーシャルゲームにハマっている。
フォロワー5万人を抱えるtwitterは コチラ。
Text/みつば
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