好きな人の前でも強がる、こじらせの歴史
あーあ。
あーあ。
猛烈にいい女ぶった先に何があったか…。
変人な男性との傷つけあいと、ちょっとした危険しかなかったよ…。
カフェインの錠剤で「一緒に死のう」って言ってくる男や、会う度に整形で顔が変わっていく待ち合わせに向かない男や、前歯が無いイレズミ男。基本的に違法な男ばかりがやってきた。ちゃんとした男性からは「経験豊富そうだよね」って恋愛相談されていたよ。
経験なんて言うほど豊富じゃなかったのに!経験豊富に見えた所作は、全て、大人のマナーと思って、やっていただけなのに!!
おかしいなあ、ただビバリーヒルズみたいに、きらめく人間関係を作りたかっただけなのになあ。その入り口と思って愛想よくしてたのになあ。おかしいなあ。
色んな人とお近づきになって自分の世界を広げていきたいっていいう、10代らしい欲求からの愛想のよさだったのになあ。
結果変な男を寄せ付けて、そして将来ある男を遠ざけちゃった。
しかも変な男をどうにかするための経験だけが増えていくから大人びた雰囲気だけを身に付けちゃって、お姉さんポジションにおさまっちゃった。
おっかしいなあ。
そして一度お姉さんポジションに入っちゃうと、本当に好きな人の前でも強がっちゃって、なかなか素直になれなくて、というこじらせの歴史。
教えてあげたい、あの頃の自分に。
ドラマチックばかりを求めるな。とんでもないもの無くすぞ。
あと何より、ここは日本だ。
不用意な愛想よさは、マジで変な人を呼び寄せるぞ。
そして何より、お前が生きてるのはドラマじゃない、現実だ。
『ビバリーヒルズ高校白書』、猛烈に面白いからぜひ見て見て。
誰がタイプですか? 私は恋をするならディラン、今会いたいのはスティーブのような家庭的な男です。
だけど、アメリカの高校ドラマをお手本にするのは推奨しません。
Text/舘そらみ
初出:2016.05.30