脳内に突っ込み小人がいれば依存しにくい           

中村うさぎ インタビュー AM AM編集部

中村:普段から自分のスタンスや感情の動きをジャッジするタイプの人だったら、ここまでいったら甘えを超えているな、と自覚すると思うんです。

私は「突っ込み小人」と言っているんだけど、媚びたりすると、脳内の小人が「今お前媚びただろう」と突っ込んでくるわけ。
突っ込み小人は自分を外側から見ているんですよね。
だから、その突っ込み小人がいる人は甘え下手だし、上手く立ち回ることができないんだけど、その一方で依存にも気づきやすい。

でも、突っ込み小人がいなくて、さらに友達の忠告でハッとすることもできない、「私はおかしくないもん」って人いるよね。
だから、前回もいったけど、そういう人はもう行くところまで行ってしまえ!(笑)

恋愛で常にクールな人は実は恋愛していない
おそらく恋の相手はその人ではない

―ただ、逆につい軽い付き合いをしてしまう人はどこかで依存しないと、恋愛を楽しみきれないのでは? とも思います。
依存は恋愛の本当の楽しみにおいて必要なことだと思いますか?

中村:必要とは思わないんだけど、あんまりクールだと恋愛に没頭できないよね。
でも脳内麻薬が出たら、バカになることは抗えないんですよ。
「私はバカになるのが嫌だから恋愛もちゃんとクールに対処します」って出来ちゃう人は、恋愛してないんです。

恋愛しなきゃとか、彼氏の1人ぐらいいなきゃという理由で付き合っても大体ノリが悪いわけですよ。
その人のことを激しく愛さないとって自分に言い聞かせたって、脳内麻薬は出ないから。
それは相手がその人じゃないんだよね。
「楽しみきれないんです」という時点で、もう恋愛じゃないので、その人とは辞めるしかない。