失恋レストラン とんかつ 成蔵 高田馬場
失恋レストラン とんかつ 成蔵 高田馬場

 肝心のとんかつは想像の味を軽々と超えていく抜きん出た美味しさ。
薄く軽い衣で包まれたやわらかな肉はソースや塩を付けてもなお主張してくるほどの甘みを持つから
ひとくち食べただけで「ああここへ来て良かった」と思う。

また添えられたキャベツの尋常ならぬ味の濃さとみずみずしさに「ああまた来よう」と思う。
ロース、上ロース、特ロース、ヒレ、特ヒレとそれぞれ大きさが異なるが、
基本のロース/ヒレでも充分に成蔵の凄さが味わえるので少食の女子も安心するといい。

 さらに全ての定食メニューには日替わり小鉢、ポテトサラダ、香の物、豚汁がつき、
ご飯は1度おかわりできるのだから手頃な価格帯にもまた驚く。
他にも海老フライや牡蠣フライ、数量限定メニュー、そして名物のシャ豚ブリアン(ヒレの中でも最上級のヒレ)などもあり、
単品で肉と酒という組み合わせなども当然可能である。

失恋レストラン とんかつ 成蔵 高田馬場

 失恋を分析しようと大袈裟に構えたところで
結局の原因は「ただなんとなく気持ち悪く思えただけ」などとそれ以上掘り下げようのない場合もある。
誰にも非が無い別れがあったりするから、自分も相手も責めきれない混沌をとんかつで浄化し、マイナスをゼロに戻すわけだ。

来週につづきます。

【つづく】

Text/村井食斎