最終回:“クリスマス写経”で喝!(3)

吉牛もジョエル・ロブションもおいしければよし!

By Mike Monaghan By Mike Monaghan

 クリスマス・イブなのに彼が何も特別なことをしてくれなかった……と嘆いているそこのあなた!

 なにゼイタク言ってるんですか!
一緒に過ごしてくれた彼がいるだけで十分じゃないですか!

…とは、あえて言いません。

 私だって知っています。
彼氏がいない人にはいない人の悩みが、いる人にはいる人の苦しみがあって、どちらの不幸が切実かなんて、はかれないってこと。
フリーターが3日ぶりの食事で食べる吉野家の牛丼と、服部幸應が3日連続で食べるジョエル・ロブションのディナー、どっちがおいしいかなんて比べられないのと同じです。

 私はなにもこの連載で、「オマール海老のソースがいまいちだったわ…」と嘆き悲しんでいる人に、「牛丼(380円)をガマンして牛鍋丼(280円)にしている人のわびしさを知れ!」と言いたいのではありません。

 それよりも、今あなたにできる最高の贅沢が、吉野家の牛丼の生野菜サラダセット(しかもみそ汁を豚汁にランクアップして)なのだとしたら、あなたは六本木ヒルズの真ん中で

「吉牛、サイコー!」

と堂々と叫んでいいんだよ、と言いたいのです。

 まあ、六本木ヒルズの真ん中で叫ぶのは迷惑なので、人としてやめたほうがいいと思いますが、大切なのは「自分の身の丈に合った幸せに、きちんと幸せを感じることができるかどうか」ではないでしょうか。

 それができないのなら、あなたは世間が作り上げたクリスマスという魔物に、まんまと呪いをかけられているのです。
比べなくてもいいはずの他人の幸せを妬んだり、羨ましがったりしてしまった人は、今からでも遅くありません。一度“結界”の中に入り、煩悩と欲望を断ち切ってクリスマスにけじめをつけましょう。

 みなさんに最後にご提案する“修行プラン”は、そんな“結界”としてはまさにうってつけの場所。
それは、お寺です。
お寺で写経をするのです。

 書き間違いではありません。
何度だって書きましょう。
いいですか。お寺に行って。写経を。するのです。