先日、人生で初めて女性向け風俗を利用させていただいたんです。お相手は21歳の大学生。彼が私よりも年下だと知ってからは、非常にドキドキしましたね。悪い意味で。だって、去年初めて年下とセックスをした際に酔っ払ってアイスクリームを口移ししたら、翌日「実は僕プチ潔癖なんですよね…」と告げられる被害に遭ったんですよ。チンチン舐めてもらっておいてよくそんなことが言えますよね。若さって恐ろしいな。
それはさておき、今回、私が利用させていただいた studio CHでは、一般的な男性向け風俗のシステム同様、サイトから写真指名をすることが出来たのですが、「どうせ写真詐欺だろうしなんでもええわ」というクソ失礼な想定の元、編集担当の方に私が好みそうな男性キャストをピックアップしていただいたんです。
こうして選ばれた、いや、不運にも選ばれてしまった青年が 神楽木聖馬(かぐらぎせいま)という乙女系男子(21)でした。
彼がサンリオキャラクターに混じっていても、相当視力の高い人以外は気が付かないはずです。吉野家、すき家、松屋。マイメロ、シナモン、神楽木聖馬。素人からすれば大した違いはございません。
彼の気遣いで思い出した過去の恋愛
待ち合わせは午後6時。歌舞伎町・TOHOシネマズ前。
ギャラリーの多いこの場所で、彼は「あ〜! こんばんは〜! 聖馬です! よろしくお願いします〜!」とまあまあな声量で声をかけてくれました。ここからもう2人でホテル街へと直行したわけなのですが、とにかくコイツは気遣いがすごい。私の歩くスピードや好ましい会話の内容すべてを短時間で探り当て、私が曲がり角で車道側になるとすぐに自分が車道側に回ってくれるんです。
この時、私はまた過去のことを思い出しました。今から約7年ほど前。私にいつも車道側を歩かせてくる元カレに「お前はいつも私に車道側を歩かせてるの気付いてる?」と聞いたら、「気付いてるよ! でもさ、車道側の方が死亡率や怪我のリスクが高いというソースはどこにあるの?」と返されたんです。轢かれやがれ。
下りエスカレーターで私を先に行かせる男に「下りは男が先で上りは女が先なの知ってる?」と聞いた時もそう。「知ってるよ。後から来た人が転んだ時に先に行った方が受け止めるためでしょ? だから先に行ってよハハハ」と言われたんです。「ハハハ」じゃねーよ。
その時のことをふと思い出して、「アイツらに聖馬くんの爪の垢を煎じて飲ませてやりたい! Uberで今すぐにでも届けてやりたい!」とムカムカしました。それと同時に、過去の自分がまるでマナー講師のババアかのようで悲しくなりました。そりゃ恋愛上手くいくはずがないわな! ハハハ。
お得意の余談はさておき、ホテルに到着いたしました。彼が車道側を歩き続けてくれたおかげで、待ち合わせの時よりも男らしく見えてきました。当然、フロントでわたくしがホテル代を支払うわけなのですが、当方、変なところのプライドがエベレスト級の高さなので、この瞬間ほど「誰にも見られたくない」と思った瞬間は無かったです。現在23歳で乳のデカさと膣圧にのみ多大なる自信を持っている私は、性的なことに対して、あくまで”させてあげる側”という自惚れがあるんだと思います。それでいいんだとも思うんですけどね。
ちなみにフロントのショーケースにポイントと交換できる景品が置いてあったのですが、そこに唯一取り残されていた景品が、今私が愛用している財布と同じでした。油断したら泣きべそをかくところでしたよ。
そんなこんなで部屋に着いたのですが、この日、私は生理だったんですよ。実は彼には会ってすぐに「私さっき敏腕整体行ってきたら生理きたんだよね〜!」と下品な顔でちゃんと下品な報告をしょっぱなからしていたのですが、その際も「え! 体調は大丈夫ですか?」とすぐに体を気にかけてくれたので、「絶対女兄弟いるやーん?」と思ったら全然一人っ子でした。
妹尾、おじさんになる
てなわけで、この日は120分コースをフルに使い、ホテルでひたすらおしゃべりをしました。彼はこんなにも下品で愚かな女のことを「話しやすくて大学のいい先輩って感じですね!」と褒めてくれたので、すぐにお酒を奢ってしまいました。すると「え、申し訳ないです! でもお酒好きなので嬉しいです!」と笑顔で言ってくださったのですが、この時、私は全くシャンパンを煽らないキャバ嬢にわざわざシャンパンを開けたくなるおじさんの気持ちが分かった気がしました。「聖馬クンの笑顔?が見れるならプライスレスだよ❗」ってな。
文章だけでもお気付きの通り、私はかなりのおしゃべりかつ”なんでちゃん”なので、部屋についてからはずっと彼に質問をしていました。
「なんでこの仕事を始めたの?」「やってて楽しいの?」「親は知ってるの?」「なんでカバンの中に新聞があるの?」と。彼はどの質問に対しても、おいしそうにお酒を飲みながら、ニコニコ答えてくれました。
しかし…すぐに気付いたんです。今、私のやっていることは風俗に来るウザいオッサンと同じであると。これで説教をしたのちに本番交渉さえすれば、完全にあいつらと同等であると。そのことにきちんと気付いてからは世間話や彼の大学の話に話題をすり替えたのですが、今度は彼が私の仕事についてたくさん質問をしてくれました。
多動症の私がソファーやベッド、洗面台の前にウロウロと立ち位置を変えるたびに、ピクミンのようについてきては仕事の話を聞いて褒めてくれるのです。そんなん当たり前に可愛いわけですよ。顔マイメロだし。そんなん当たり前に気持ちいいわけですよ。性感帯をいじられたのかと錯覚するほどに。ベラベラと文章や脚本を書くことについて語ってしまいましたよ。
しかし…またも気付いたんです。「これやってることまたオッサンじゃん」と。ここだけの話なんですけど、ついいい気になってしまったもんで、私が脚本を手掛けた公開前の短編ドラマを彼には先に見てもらっちゃいましたからね。「聖馬クンには特別に先に見せちゃおうカナ〜?⁉︎」ってな。もしも、彼のTwitterの裏垢もしくはインスタのストーリーの親しい友人限定公開で「クソ客きつ」って書かれていても文句は一切ございません。
そうこうしているうちに、あっという間に120分が経っていました。聖馬クンは普通の青年へと戻り、私もオッサンからただの巨乳に戻る時間がやってきました。部屋を出る直前、彼は「出会えた記念に」といって、私に一輪のバラの花とラデュレの焼き菓子をくれました。あ、妄想じゃないですよ? 本当にくれました。
本当に嬉しかったです。おかげでオッサンから元の女の姿に戻れました。なんなら元の姿よりも女になっていたかもしれません。軽率にキュンです。これがなかったらきっと、部屋を出る頃には私のヒラヒラとしたTバックはストライプのトランクスに変わり、右手に持っていたアイコスイエローメンソールはショートホープと持ち替えられ、VALENTINOのピンクのバッグはポーターの斜めがけナイロンポシェットになるところでした。本物のオッサンになるところでした。
帰りは次の私の仕事の待ち合わせ場所まで彼は送り届けてくれました。最後は「これって脈アリだよね? 実際そうだよね!? 私のこと好き説あるよね? え、どう思う?」と女友達に電話をかけたくなってしまうほど、乙女にされた私でした。
次回、後編『妹尾ユウカ、聖馬くんをもう1度指名』
お楽しみに〜!
studioCHって?
studio CHは、アダルト業界最大手のソフト・オン・デマンドグループが運営している安心・安全な女性向け風俗店です。
会員数40万人の女性向けサイト「GIRL’S CH」で配信中の動画にも出演している、現在活躍中の若手AV男優も在籍中。会って楽しんで、動画で楽しんで、二度楽しめるのも特徴です!
TEXT/妹尾ユウカ
▼後編はこちら
《女性向け風俗で「いれてほしい」の言葉以外みつからなくなりました/妹尾ユウカ(後編)》
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