高橋がなり社長の目論見
女性向けアダルト動画について
湯山:ところで、女性向けアダルト動画のマーケットって、ソフト・オン・デマンドの高橋がなり社長が見つけて、結構力を入れていますよね。
実際にガーッと始めたのはいつ頃からなの?
田口:高橋がなりから聞いた話だと、10年くらい前から「女性がアダルトを見る文化を作る」という構想があったそうなんです。
だから当時から女性社員の登用も積極的にしていて、ご存知の方もいるかもしれませんが、菅原ちえという女性のAV監督もソフト・オン・デマンドに入社して育てられて、監督デビューという流れで、このような取り組みは当時から今までずっとやっているんです。
そのきっかけが15年ほど前で、「女性が男性を攻めるAV」のジャンルが売上げの半分を超えたことです。
湯山:男性がマグロのほうね。
田口:ですのでその当時から、男性がどんどん待ちの状態になるから、女性が積極的に性を求めるようになるだろうと目論んで仕込んでいたそうです。
具体的に動き出したのが2009年。女性向けアダルトビデオのメーカー「SILK LABO」が立ち上がりました。
祖父江:当時私は『極嬢ヂカラ』(テレビ東京)でディレクターをやっていました。
女性向けの割と攻めた深夜番組です。そのときのプロデューサーから「最近『SILKLABO』というものができたらしいよ。『anan』の付録にDVDでついているみたい」と聞いて注目したのを覚えています。
田口:『anan』のSEX特集にDVDの付録がつき始めたのは2006年の5月でしたね。
湯山:あれは強力でしたよね。すごかった。即売り切れだったし、普段女性誌を読まない広告代理店の男とかも買っていた。
半分は男子が買ったんじゃない?「湯山くん!あれは男でも充分抜ける!」と言っていて、買おうと思ったんだけど手に入らなかったですね。
『anan』の編集部でも関係各所に配りまくってもう在庫が無い状態で。
田口:そうですね、1発目はすごい衝撃が有りました。
ただ、それでもまだ女の子はちょっと手が出しづらかったんですけど、次に拍車をかけたのはスマートフォン。家族を気にせず自由に見られるし。
湯山:そうですよね。そもそも、家庭ビデオの普及も、エロの力が後押ししていましたからね。
なんであんなに家庭にビデオが普及したかというとオヤジたちがAVを観たかったってだけで。今はスマホやタブレットがあればベッドの中で観られますから、昔は本、今は動画で観ていますよね。
それを男性じゃなく、女性もするようになったと。