二人の「欲情するタイミング」でセックスの相性がわかる/中川淳一郎

お互いもうどうにも我慢できなくなってしまう時というのは、屋外にいる時であっても訪れてきてしまう。さすがに裸になったりはしないものの、抱き合ってねっとり濃厚エロエロキッスをしばらくする、といった展開である。

その日は、少し年上のメーカー広報担当の森本さんだったのだが、2回目のサシ飲みの後、「もう一軒行きますかー!」という話になった。二人並んで神田川沿いを歩いていたのだが、人気が少なくなったところで彼女が僕の手を繋いできた。途端に二人とも黙ってしまったが、そうなると、激しく燃え上がってしまうものである。

細い路地に入り、そこで互いに求め合うのである。しかし、抱き合って触る場所は背中と肩だけである。局部や胸や尻はこの段階では触ることができない。人の気配を感じ、再び歩き始め、再び人がいなくなると今度は二回目の抱き合い。ここで互いに尻を触るようになる。

そして森本さんは胸をこちらに押し付けてきた。さらに距離が近くなったのだが、その時に僕の勃起したアソコが彼女の大事なところに近い部分に当たった。となると、「ニノミヤさん、固くなってる……」と言い、彼女はズボンの中に手を入れ、下着の上から触ってくる。するとまた誰かの気配があり、ようやく店に到着するという段になる。雑居ビルの薄暗い階段や廊下で最後の抱き合いをした時は「まだ勃ってるね」と言われ、今度は直に触れてくる。

さすがに2回目のサシ飲みでラブホテルに行くのはまだ躊躇するので、そのまま薄暗いバーに入って行き、1時間ほど飲み、駅で別れて互いに帰路につく。毎度不思議なのが、「欲情するタイミングと『そこまではやっていい』ということについては阿吽の呼吸というか、暗黙の了解が存在する」ということだ。

この段階にまで来ると、「次に会う時にホテルへ行くな」といった直感が働くのだが、やはりそれは森本さんも同じだったのだ。次に会った時に「ホテル行きませんか?」と言うと「私もそう思っていた」となった。

阿吽の呼吸ができる相手とは相性がいい

これまでの経験上、この阿吽の呼吸がある女性とのセックスも非常に相性が良い。この呼吸がなく、どちらかがそれ程乗り気でない場合は、挿入しながら「なんか違うな」といった感覚にお互いなるのだ。

それは互いの性器の形状・状況が影響していると思うのだが、相手が濡れるタイミングとこちらが勃つタイミングが似たようなものになっており、かつ一体感があるのだ。互いに痛い場合は、身体の相性が悪い。

その見極めをその前段階の「欲情するタイミング」で判別できるのではなかろうか。実はコレが一番二人にとって幸せな時間かもしれないのである。というのも、その後の楽しい時間を想像できるからである。