人が違うとなぜこんなに違う

「同じ行為なのに、相手が変わるとこんなに違うのはなぜ?」と感じたことはありませんか。
恋人とのセックスは安心感のある温かさに包まれ、体と体が溶けて一緒になってしまうような絆を感じます。終わったあとの幸せな余韻も続いて最高ですよね。
一方で、一夜限りの相手とのセックスは、頭の中で火花が散るような興奮とスリルに圧倒され、お互いの「野生っぽさ」にゾクゾクしてやみつきになります。どちらもセックスの「快感」や「喜び」ではあるのですが、その質があまりに違っていて面白いと思いませんか。実はこれ、気のせいではなくて、脳とホルモンの働きの違いによるものらしいんです。
相手による脳とホルモンの働き
恋人や信頼する相手とのセックスでは、脳内でオキシトシンとバソプレシンが分泌されます。オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれ、抱き合ったときやオーガズムの瞬間に大量に分泌されます。そして、バソプレシンは性的興奮が高まったときやオーガズムのタイミングで分泌が増えるとされていて、絆や忠誠心を高める働きがあります。(Carter, 1998;Young & Wang, 2004)
オキシトシンやバソプレシンは「この人と一緒にいると安心する」「もっとくっついていたい」という気持ちを感じさせ、行為後のなんともいえないハッピーな余韻を残すんですね。
一方で、知り合ったばかりの相手や一夜限りの関係だと、脳が反応するのはアドレナリンやドーパミンといった、ご存じ「ザ・興奮」のホルモンで、未知の刺激やリスクを快感として受け取ります。(Fisher et al., 2005)
まだよく知らない相手、初めて見る体、初めて触れられることに「お!これは新しい刺激!たまらん!」と脳がいちいち喜んでいる状態です。いつもより大胆になって普段しないことをやってみたり、いつもより敏感になっている感じがするのもそのせいらしいです。ただ、こういった反応は期間限定。終わったあとにしばらくすると頭の中がスンッとなってめちゃくちゃ冷静になったり、急に帰りたくなったりすることもあるのはアドレナリンが落ち着くせいなんです。
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