ピストン運動で膝が…

アッハーン、イイ~、どこがいいですか? などとエロ行為定番の発言を経て、僕らはひたすら抱き合い、舐め合った。そうしてついに正常位で合体するのだが、途中から膝が痛いのに気付いた。僕は両膝をついて挿入していたのだが、ピストン運動をすると当然膝は多少上下に移動する。そのため、フローリングの床と摩擦を起こし、痛くなってしまうのだ。

そんなことは快楽の前にはどうでもよく僕らは約1時間上に行ったり下に行ったりしながらセックスを続けた。そしてついに果てた後、ようやく布団を出して寝たのだが、翌朝起きたら僕の両膝は床との摩擦で傷ができていた。さらに、彼女が上に乗っていた時は背中が床と擦れて背中にも痛みがあった。この時、セックスは必ず布団かベッドでやるべきである、という教訓を得たのである。

それから約2週間、膝には傷があり、その後かさぶたになったのだが、あの時の快楽の代償としてこれは仕方がないものだ、と妙な割り切り方をした。彼女とはその後何もなかった。

Text/中川淳一郎