「この人は百戦錬磨なのだろう」52歳の女性に翻弄された温泉旅行/中川淳一郎

一時期、働く業種も年代もバラバラな飲み仲間がいたことがある。2ヶ月に1回程度の飲み会が開催され、毎回人が増えていった。リーダー格の50代男性が顔の広い人で、参加者と気の合いそうな人を誘ってくれるほか、「この会に合いそうな人はぜひ連れてきてほしい」と言われた。
 
毎回楽しい飲み会が開催されていたのだが、あるとき「次はどこかの温泉旅館に泊まろう」ということになり、2ヶ月後に草津の温泉旅館が手配された。当日は夜から25人ほど、大宴会場で酒・メシ・歌の大盛り上がり。

1次会終了後は、24畳の男部屋で再び宴会開始。途中寝る人もいたが、朝の4時まで皆でどんちゃん騒ぎ。女性は2人部屋で数部屋に分かれて寝に行ったが、終盤まで飲み続けるのが美晴さんだった。大手出版社で編集者をしており、年齢は52歳だと言った。当時の僕は30歳だったのでかなり年上だ。

「ニノミヤさ~ん、今日は楽しいわねぇ~」などと言って抱き着いてくることがあった。彼女のことを昔から知ってる人は「またやってるわw」みたいな感じだったが、彼女も散々飲んだのか、やがて部屋に帰って行った。

男はそのまま部屋で飲み続け、朝を迎えた。この手の旅行というものは、朝は早起きする者・風呂に入る者・徹底的に最後まで寝続ける者など多数いるが、そろそろチェックアウトをしようとロビーに集合したら美晴さんがいない。

美晴さんを探しに行くと…

部屋割り表を見ると彼女は209号室にいるという。美晴さんをよく知っているであろう女性が「ニノミヤさん、あなた見に行ってよ。起こしてきて」と言ったので209号室へ。部屋の鍵は開いており、美晴さんは布団の上に座ってお茶を飲んでいた。

「もうチェックアウトですよ。みんなロビーで待ってますよ」

そう言ったら「いいから」と言い、彼女は僕にディープキスをしてきた。

「えっえっ?」という状態になると美晴さんは部屋の鍵をかけ、僕の方に戻ってくるといきなりズボンのボタンを外し、ファスナーを下ろすと同時にズボンとパンツをおろしてきた。そしていきなりフェラチオをしてきたのだ。