その後、彼女と再会したのは

初めて彼女とセックスをしたのだが、夜の全裸と朝の全裸は全然違う。朝、太陽の光の中の全裸には互いに「恥ずかしいですね」と言い、笑った。そして、コンドームはまだ残っていたため、僕らは互いに小便をした後、もう一度セックスをした。

「ニノミヤさん、本当に楽しかった。ありがとうね」

彼女はそう言った。僕はシャワーを浴びさせてもらい、朝の10時に鎌倉の街へ出て、電車に乗って家に戻った。その後、彼女と会ったのは数日後、遺体となった姿だった。死因は分からないが、水死だった。海水浴をしていたわけでもなく、洋服を着たままの姿でその遺体は発見された。

恐らく自殺であろう。セックスというものは、本来嬉しい行為のはずなのだが、今となっては友里さんとの4回のセックスは、人生でもっとも悲しいものになった。彼女は色々と考えた末、死ぬ前にセックスを誰かとしようと思った。もっと本音の部分を僕に伝えてほしかったのだが、それは叶わなかった。

以来、彼女の命日前後にはあのときの彼女の気持ちを考え、冥福を祈り続けている。今回は普段のバカ話とは異なるテイストになったが、人は死ぬ前にセックスをしたいと思うこともあることを伝えておきます。

Text/中川淳一郎