MADがMAXな撃退法
「結婚した方がいいぞ~」に「結婚に興味ないんですよ」と返すと「なんで?ずっと1人は寂しいだろう」と続くので、「結婚よりも昆虫に興味があって、今はカメムシの生態を研究してます」とカメムシ返しで撃退しよう。
すると相手は「ヘタなこと言ったら、カメムシを机の引き出しに仕込まれる」と不安になる。ちなみに担当アサシン嬢はかつて、パワハラ上司の机をスカトロ写真で飾り付けたという。さすがMADがMAXな人物だ。
「こいつにからむのはやめよう」と思わせればハラスメントを阻止できる。なので「結婚よりも○○に夢中で…!!!!」と推しについてMADに語るのもアリだ。
相手が「へ、へえ~、どこがそんなに好きなの?」と聞いてきたら「オウフwwwいわゆるストレートな質問キタコレですねwww」とカレー沢返しを華麗にキメよう。ドプフォ・フォカヌポウといった擬音もマスターしたい。
連載中の熟女入門のコラムで「八つ当たりには、ネズミ返し・スピ返し・右翼返しがオススメ」と書いたが、これを結婚バージョンにアレンジしてみた。
ネズミ返しは「結婚した方がいいぞ~」に対して「そのためには女磨きしなきゃ♡今こんな化粧水を使ってて」とア●ウェイの商品を紹介する。
スピ返しは「神様はどこに導こうとしているのでしょうか…とにかく神に祈ります」とひたすら神を連呼する。森友問題の総理夫人のメールをお手本にしよう。
右翼返しは「この曲を聞いて婚活がんばろっと♪」とアイフォンから軍歌を流して縦揺れする。
いずれも相手は「あまり近づかないでおこう」と距離を置いてくるはずだ。
我が夫に「結婚した方がいいぞ~!と言ってくるオッサンをどう撃退すればいいと思う?」と聞いたところ
夫「『東アジア解放戦線』とか書いたビラを机に置いておけば『あまり近づかないでおこう』と思うんじゃないか」
アル「発想がいっしょやないか。私も右翼返しというのを考えたんだけど」
夫「いや、オッサンは右翼が好きだから逆に近づいてくるぞ。『日本の繁栄のために結婚して子どもを産め』と言ってくる」
アル「なるほど、キミあいかわらず冴えてるな」
夫「ポンチさんも目のつけどころは悪くない」
と褒め合ったものの、夫婦ともにイカれてる気もする。まあ多少はイカれてる方が「他人が何言おうが知るかよ」と跳ねのけられる。
ハラスメントに傷つくのは、空気を読んで周りを気づかう、まじめで優しい良い子たちだ。そんな子たちが気づかいのカケラもない連中に傷つけられるのは許せない。
「セクハラはうまくかわせ」「おじさんを手のひらで転がせ」と言われるが、そんなばっちいもの手に載せなくていい、汁とか出されたら困るし。
そういう戯言が「いちいちセクハラと騒ぐな」という意見を増長させる。老害は「昔は大らかでよかったな~」と目を細めるが、それは誰かの犠牲の上に成り立っていたのだ。
私はこの世界からセクハラ野郎を一匹残らず駆逐したい。
JJべからず帖
私は仕事で読者の相談に答えているが、普段は求められない限りアドバイスしないようにしている。間違っても、アドバイスという名のハラスメントをしたくないからだ。
「結婚したいんでしょ?だったら努力しなきゃ!女子会ばっかりしてちゃダメ!」とドヤ顔で語るおばさんには死んでもなりたくない。
そんなクソ説教に「さすが!知らなかった!すごーい!」と返してくれるのは、敬老精神であり、おもてなしの心なのだ。
キャバ嬢に説教するオッサンほどみっともないものはない。私は“オッサンのふり見て我がふり直せ”とJJべからず帖に刻んでいる。
某有名企業に勤める20代女子がこんな話をしてくれた。 「入社してすぐの飲み会で、バブル世代の女性の先輩に『いつから彼氏いないの?』と聞かれて『今まで付き合ったことないんです』と答えたら『ええっ、処女なの?!!』と大声で言われたんですよ。地方から上京したばかりの私は、ショックで固まっちゃって」
彼女が固まっていると、その先輩は「私なんて若い頃は逆ナンとかしてたわよ、あなたももっと肉食にならなきゃ、うかうかしてるとすぐ年とっちゃうわよ、若い方が需要もあるんだから…」と続けたという。
「私がヤングの頃はブイブイいわせたわよ~!」とドヤる武勇伝おばさんほど、みっともないものはない。
彼女は続けて「その時、30代の女性の先輩が『やめましょうよ』と注意してくれたんです。しかも飲み会の後『今後も「彼氏いるの?」とか聞いてくる人はいると思う。でも正直に答える必要ないんだよ。他でペラペラ話されたりしたら、あなたが傷つくことになるからね』と教えてくれたんですよ」
「そんなふうに守ってくれる先輩がいたから、仕事を続けられたんだと思います」という言葉に、全アルテイシアが慟哭した。
お嬢さんたちよ、あなたを傷つけてくる人はいる、でも味方になってくれる人もいる。つらい目に遭った時は、そういう人を見つけて相談してほしい。あなたは1人じゃないのだ。
余談だが、夫にカメムシ返しの話をしたら「俺もカメムシの研究をしたい。地球上にカメムシが存在しなければ生態系にどんな影響があるか興味がある」と返ってきた。
その探求心はすばらしいが、「だから家でカメムシを飼う」と言い出したら、断固拒否しようと思う。
Text/アルテイシア
※2018年5月1日に「TOFUFU」で掲載しました。
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過去10年間に執筆したエロコラムが詰まった『アルテイシアの夜の女子会』が2018年2月7日に発売。表紙はTOFUFUでも連載してくださっているカレー沢薫さんのイラスト。BL研究家・金田淳子さん、妖怪作家・ぱぷりこさんとの対談も収録。
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