土谷さんが提案する、これからの「恋するマドリ」
恋する間取り ― 自分の暮らしを自分で考える 土谷貞雄
恋人と一緒に過ごしたい、そんな時、その想いを家のしつらえや間取りに表現したいもの。照明を少し暗くして、キャンドルをたてて、もちものを整理して、家の中をきれいにしたいと思うものです。
少し手の込んだ料理をしたり、ベランダで食事をしたりと、いつもと違う日常を演出したいと思うのです。
恋する間取りとは、恋する気持ちをもちつづけること、それをしつらえに表現する事です。時がたってもこうした気持ちを忘れないようにすることが大事ですね。それは自分で自分の暮らしを表現する事を学ぶ最初のときかも知れません。自分で自分の暮らしを考えることの始まりです。
恋する間取りで、特に重要な2つのことがあります。それは、ひとつは風呂、もうひとつはベッドルームです。風呂を部屋の中におくというのはどうでしょうか。風呂にはいりながら恋人と過ごす時間、心を解放してお風呂でゆったりして過ごす時間、この絵は風呂を2つおいています、リビングルームの風呂には花びらを浮かべてゆっくりはいります。
もうひとつはベッドルームです。
夜寝る以外に昼間過ごすベッド、デイベッドというのがあります。できれば窓をあけて外の音を聞きながら過ごしたいものです。外の緑や鳥の声、風や光を感じてベッドで過ごす、本を読んだり、時には食事をしたり、ベッドで昼間の時間を過ごすのは贅沢なものです。
さてこうした熱烈な恋の時期はいつまでも続かないかも知れません。
そのときは、それぞれの時間を過ごす空間を家の中にもつのもいいでしょう。
個室になってなくてもちょっとしたコーナーやカウンターがあることで、気配を感じながらもそれぞれ別の事に集中できる、そんな空間も恋をながくするための工夫かも知れません。
恋する間取り、それは魔法のようなものでなく、自分の、また自分達の暮らしを自ら考える事なのです。こうしたらパートナーが喜ぶ、居心地がいいだろう、そんな空間を考えだす事、そして恋の時代ごとに間取りやしつらえを変える事ができると素敵ですね
もちろん、こうした間取りの変更までできる家に住んでいる人は少ないかもしれません。そのときはベランダで食事をしてみる。ベッドの位置を変えて、部屋の真ん中に置いてみる。小さな事や、できることを丁寧にしてみることが大切です。
そしてテーブルには一輪の花を忘れずに。