芸術作品の中で暮らせるチャンス!『三鷹天命反転住宅』

 東京・三鷹のデートスポットといえば、なんといっても「三鷹の森ジブリ美術館」が有名ですが、せっかく三鷹にきたのならぜひ見ておきたい、もうひとつのランドマークがあるのをご存じですか?
それが、「三鷹天命反転住宅」です。
 全部で9戸の集合住宅からなるこの建物は、芸術家/建築家の荒川修作+マドリン・ギンズが手がけた芸術作品。
「住宅」という名前の通り、実際に人が入居して住むことができる(現在は入居できる空き室はなし)という、まさに「住める芸術」なんです。

 この住宅がまず何よりも目を引くのは、いくつものボックスと球体を積み重ねたような構造と、カラフルでキュートなデザイン。
内外装には14色の鮮やかな彩色が施され、一部屋一部屋の色の組み合わせはまったく異なります。
 そして、ひとたび部屋の中へ入ると、訪れた人は自分の身体を揺さぶられるような、不思議な感覚に襲われることでしょう。
それもそのはず、この住宅は「私たち一人ひとりの身体はすべて異なっており、日々変化するものだ」ということを実感させるように設計されているというのです。
3歳の子供が大人より使いこなせる場所もあれば、70歳以上の高齢者にしかできない動きも生じるのだとか。
さまざまな身体能力の違いを越えて、住む人それぞれに合った自由な使い方ができるようになっているのです。

 住宅の名前に付けられた「天命反転」とは、今まで不可能と思われていたことを可能にすること。
与えられた環境・条件を当たり前と思わずにちょっと過ごしてみるだけで、私たちは天命反転できるのだ、というのがこの住宅のコンセプトです。
6月9日(土)に行われるたてもの見学会では、ふだん見ることのできない住宅内部の見学やワークショップを通じて、この家の持つ秘密や芸術性により深く迫ることができるでしょう。

「人が住んで初めて完成する」というこの作品(住宅)は、6泊7日からのショートステイも受付中。
2人で非日常の空間に住んでみることで、今まで当たり前だと思っていた感覚が研ぎ澄まされ、2人の関係も「天命反転」できるかもしれませんよ!

名称:三鷹天命反転住宅たてもの見学会
日時:2012 年6月9日(土)
   11:00~/14:00~ コース1「ABRF 学芸担当者による建物見学会」
   16:00~ コース2「建築する身体の見学会」
会場:三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller(東京都三鷹市大沢2-2-8)
参加費用:各コース 大人2,500円 小人1,000円
     ※見学会にご参加の皆様には、住宅使用法が掲載された三鷹天命反転住宅オリジナル・パンフレットを差し上げます。
申し込み:定員制のため要事前予約。webサイトの申し込みフォームよりお申し込みください
問合せ:0422-26-4966
URL:https://www.architectural-body.com/mitaka/

Text/Fukusuke Fukuda