オナニー告白されたときの捉え方
男性に「君を想像して、オナニーをしたことがある」と告白されたら、あなたはどう思いますか。もちろん言ってくる相手と、そのときのシチュエーションにもよると思うのですが、わたしはおおむね喜ばしく思ってしまう悪癖というか嗜好を持っています。実際に、それまでただの男友達だと思っていた相手からそう告げられて、「えっ! わたしのことをそんな目で見ていたの!?」と、その日から気になる存在になってしまったこともあるし、「あなたのことはそれほど」という相手であっても「しょうもないなぁ。愛いヤツめ」と少しだけ気持ちが緩んで距離が縮まる。
そんなことをいうと、「性的に扱われることで、モテたと勘違いして喜んでいる」と可哀想がってくれる人もいそうですが、そういうわけではないのです。というのも、「君を思ってオナニーをしたことがある」という告白は、2つの捉え方をすることができる。
ひとつには「妄想の中で好き勝手にひどいことをされた。それを伝えてくるなんて、加害だ」という捉え方、そしてもうひとつは「現実には叶わないからせめてもとオナニーをするなんて、なんと憐れな上に、それをこっそりと告白してくるなんて、どうしようもない男!」と相手を見下した捉え方です。
わたしは、後者の捉え方をすることが多く、ゆえに「君を想像して、オナニーをしたことがある」と言われると、目の前の男性のことが、まるでひっくり返った子犬が、ハフハフと舌を出しながら、お腹を見せているかのように思えてしまう。
全体を取るか、自分の欲望を取るか
とはいってももちろん、「オナニーのオカズにするなんて失礼だ」「オカズにすることはともかく、それを伝えてくれるのがありえない」「ただただ、単純にキモい」という気持ちも十分にわかります。
男友達が共通の知り合いの女性について「〇〇ちゃんでオナニーしたことあるわ(笑)」と言っていたときは、反射的に「うわ、セクハラ! キモ! 失礼すぎ!」と思ったので、決して「オナニーのオカズにされることはよきこと」と思っているわけではないし、むしろそう言われて傷つく女性のことを思えば、「オナニーのオカズにしたとか、迂闊に口にするんじゃない」とも思う。しかし、その一方で、わたしは「君を想像して、オナニーをしたことがある」と言われたいのです。
全体を取るか、自分の欲望を取るか、さてどっちだ。それは迷うことなく自分の欲望だけれども、その欲望が他の女性の被害に加担することになると考えると、また悩ましくもあります。
それに、もちろんわたしにだって、「お前にだけは、『君を想像して、オナニーをしたことがある』なんて言われたくねぇ!!!」という相手もいるのです。けれど、「ちょっとそういうこと言うの、失礼だから辞めたほうがいいですよ。自分の心に留めておいてください」といえば済むことだし、それで臍を曲げたり、逆切れするような男性とは、以後付き合わなくていいと判断するよいきっかけにもなる。なんなら「このマスカキ猿野郎!」などと言ってみて、相手が慌ててへりくだってくるようなら、それはそれで面白い関係性に発展しそうです。
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