体質の問題なのにミルク育児にかかるプレッシャー
というのも、母乳については出る出ないの問題があります。わたしも最初はあんまり出ていなくて、一ヶ月後に病院に検診に行った際には「あかちゃんの体重が増えてない!」と慌てて医師に相談することになりました。いやー、母乳を出す時って無感覚なもんで、出ているのか出てないのか、出ているとすればどれだけ出ているのか、さっぱりわからないんですよね。一か月間、「ひもじいよう、ひもじいよう」ってむせび泣いていたことを考えると、息子には可哀想なことをしたなと思います。
けれど、これはわたしのせいだけでもない。だって、産院では「母乳を出すには、とにかく吸わせろ」と、指導をされるんです。最初は出なくても、吸わせれば吸わせるだけ出るようになるから、とにかく回数でカバーをして、出来るだけミルクを足さずに、スパルタで乳首を咥えさせろと。
だから寝不足でフラフラになりながら、夜中幾度も起きて授乳をする。正直、これ、めちゃくちゃキツいし、やったところで、必ずしも出るものでもない。本人の責任でも怠慢でもなく、ただの体質の問題ですし、そのあげく、子も腹を空かせているって、まさに産後すぐに出会う地獄です。
一方でミルク育児の一番の難点はミルク代がかかることでしょうか。うちはキューブタイプのミルクを用意しているのですが、例えば、『明治ほほえみ らくらくキューブ』の外箱に書いてある標準調乳量表に照らし合わせると、飲む量がマックスとなる3~5か月のあかちゃんの場合、1パック(=キューブ5個)で作ったミルクを1日5回。1日に5パック消費します。48パック入った4000円くらいの1箱がだいたい10日でなくなる。月にすると1万円超え。
この出費は大きい上に、ミルク育児には、なぜか外圧がかかりがちです。かつてはミルク育児が推奨されていた時代もあったそうですが、いまは母乳育児が流行中のようで、病院でも「どちらにします?」と尋ねられることもなく、自動的に授乳室通いを義務づけられる。おまけに「ミルクでは愛情を与えきらない」みたいな雰囲気もあったりします。まったく根拠はないと思いますけど。