「女の子」をイカせるのは「女の子」
男友達の彼女は、黒髪ショートカットの、おとなしい雰囲気の可愛らしい女性でした。突如現れた「彼氏の女友達」の存在にも嫌な顔をすることないどころか、一人暮らしの部屋にまで、泊めてくれるというので、酒やらつまみやらと買い込んで宴会し、三人とも程よく酒でキマっていた夜中の0時過ぎ。突如、男友達が言ったのです。「こいつ、悩みがあるから、相談したいらしいんだけど、聞いてやってくれる?」と。
「うん、いいよ」と頷いたわたしに、男友達の彼女が語ったのは、次のようなことでした。曰く、「男友達を相手に、処女喪失をしたものの、セックスでイったことがない」。22歳でこの間まで処女だったのならば、イったことがなくても、全然おかしくなんて、ありません。そう勇気付けるわたしに向かって、男友達はこう続けたのです。「でもさ、女のコの体は女のコほうがよく知ってると思うし、僕でダメでも、あなたがすれば、彼女、もしかしてイケるかも。イカしてあげてよ!」。男友達の提案に「えっ、いいの?」と彼女の意思を確かめたところ「……うん」と同意するじゃないですか。決定権はわたしに任されたってことですよね、なにこの展開!
もしも今、そんなことを言われたら、どうするでしょうか。「いやいや、わたし、そんなにテクニシャンじゃないんで!」と丁重にお断り……いや、その本人が、わたしとのエッチに挑戦したい、ということだったら、答えてあげたい気持ちもある。断って、女のコを傷つけるのは気が進みません。男性だったら断れるんですけどね。この辺りは無意識に、わたしは性差別をしていることになるのかもしれない。どちらにしても、とにかく悩ましい誘いです。当時のわたしが、何を考えていたかは、憶えていませんが、根本は今と変わっていない気がします……というわけで、結論から言うと、わたしは男友達の前で、その彼女をイカせることに挑戦することになったのでした。