寄ってくるのは同じにおいの人だった
知り合いのキャバクラ勤めの女のコがいつか、こんなことを話していました。「合法ドラッグにハマっていた頃、指名してくる客って、なぜかみんな、合法とか非合法のドラッグやってる人ばっかりで。やっぱり人って、自分と同じにおいの人がわかるんだよね」。その時は、「いや、体から薬物臭が匂っているんじゃないの?」という感想を抱いたのですが、いま、こうして考えると、彼女が言っていたことが正しい気もします。何もせずとも、勝手に近寄ってきてくれるのは、自分と近しい感性や、共通点、嗜好を持った人間だけなのです。たぶんこれは、キャバクラという場だけでなく、合コンや婚活といった異性との出会いの場全般に言えることだと思います。
その近しさや共通点、嗜好がポジティブなものならば、「しっくりくる、これ以上、パートナーとして最高の相手」となることでしょう。ところがそうとも限らない。先ほど例に出したドラッグ好きキャバ嬢のように、互いの“クズっぽい部分”がピッタリと合致してしまう場合もあります。カップルで廃人まっしぐら。いくら幸せは様々といっても、それはちょっと……。
だから、いい関係を持てるパートナーが欲しければ、ありのままの自分に近づいてきてくれる人を、「ありがたい」と受け入れるのではなく、自分から選んでいったほうがいいのだと思います。もちろん、素のままの自分を認めてくれる相手は貴重な存在です。けれども、貴重な存在といえども、一緒にいて、幸せになれる存在とは限らない。だったら、「わたしを幸せにする素質を持っている人」を探し、選んで、自分を好きになってもらったほうが、幸せになれる可能性は高いのではないでしょうか。もっとも、その場合「自分を好きになってもらう」という大きなハードルが圧し掛かってくるわけですが、そこに負けていては幸せは掴むことが出来ない。
というわけで、もしもいつか、熟女パブで働く機会があったら、「この人に指名を貰いたい!この人と近づくと、なにかいいことがありそう!」と思った人には、営業メールくらいはガンガン送ろうと思っています。
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Text/大泉りか
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