結婚ばかりが女の幸せではないことは頭でわかっている。けれど、「しない人生」を選んだわけでもなく、たまたましっくりくる相手がいないだけ。世の中の半分は男のはずなのになんで!?
というわけで、今年の8月に『オンナノコウフクロン』をイースト・プレスから上梓したばかりの安彦麻理絵さんにお話を伺わせていただきました。
第一回「選り好みせずに雑食であれ!」、第二回「男の甲斐性と、結婚してからも恋愛をする方法」も合わせてどうぞ。
第三回:片思いの相手とは一回ヤってみる!
大泉りか(以下、大泉): 二十代半ばくらいで、自分を変えたくなる時ってあるじゃないですか。
仕事辞めて、大学に入りなおしたり、ハワイに留学してロミロミ習ったり。今の職場に必要な技術を身に着けて、ステップアップするというのではなく、ぴょーんとまったく違うところに跳び変えたりするコっていますよね。
安彦麻理絵さん(以下、安彦): それができるってすごいこと。「変わりたい」って思いながら、「5年も6年も居座っちゃった」とかよりも、全然いいと思う。わたしもやってみたかったなーって。今はもうさすがに遅いですが……。
大泉: 安彦さんも、やっぱり仕事で悩んだ時期とか、あるんですか?
安彦: うん。やっぱり20代の後半とか悩んだこともあったけど、結局流れにだーっとのって、きちゃいましたね。整体指導師の方に聞いたお話でも、先のことを決めて生きるよりも、行き当たりばったりで生きていたほうが、女の身体にはいいんですって。自分磨きばっかり夢中になっていたり、何年後は○○と決めている女の人の身体はやっぱりあんまりよくないって。
大泉: たしかに、湘南に引きこもって、毎日自炊して、ほとんど飲みにもいかず、休日は海辺を散歩……っていう傍から見れば『ザ・素敵生活』を送っていることがあったんですが、今よりも健康じゃなかった気がします。
「らしくない気がするけど、わたしの人生、これでいいのかな」って、いつも不安でした。
安彦: 「不安、不安、不安……」って寝る時にまでそのことずーっと考えたりしていると、パニック障害になったり、生理がめちゃくちゃになったりしますよね。わたしなんて、ノープランですよ。いきなり結婚するし、離婚もしるし、また再婚もするし、で子供が4人もできちゃったりとか(笑)。さすがに4人も産むとは思わなかった、って感じですけどね。でも、なんとかなっちゃったし。
大泉: たまには考えすぎずにノープランでやってみるのも、いいかもしれませんね。
安彦: 石橋を叩かないで渡ってみるっていうね。渡ってから「あーっ、危なかった!」って気が付くタイプなので。
怖いモノ見たさもあるんですよね。「どうなっちゃうのかなー」って好奇心に負けちゃう。
大泉: そう、それでわたし、40歳を迎えるにあたり、何か苦手なことをしてみようかなって。
安彦: ほっこりライフに挑戦とか? 頭をお団子にしたりして(笑)。
わたしの友達の男の子で、代理店に就職して、そこでもいい女を食って、とにかく遊びまくっていたらしいのですが、ある時、農業に目覚めちゃって。で、そこからはもう農業一本。だから、やっぱり土を触ってると、毒が抜けるらしいですよ。
大泉: それはそれでうっとおしいですよね。
安彦: うっとおしいですよ、いつも「オススメのベジメニューのお店、どこかない?」とか、そういうエコに繋がってて。
今は、彼女もいないし、オナニーすらしてないらしい。
大泉: それ、生きてて、楽しいんですかね。
安彦: 欲まで、すべて土に吸われてるんですよ!
大泉: うわぁ。地球のパワー、怖いですね(笑)。
安彦: でも、その子が言ってたんですけど、男はそうやって、地に吸い取られて欲分が抜けるらしいんですが、女は無理らしい。農業やったところで、やっぱり毒まみれ。
大泉: 高木美保とか、まるでもって抜けてる感じしないですもんね。
安彦: 高樹沙耶も、ヤバい方向いってますよね。あと、その子がいうには「農業女子の中にもヒエラルキーを感じる」って。ナチュラルとかいう方向に行ってもねぇ……。
大泉: 「農業やってます」ってこと自体に「エコでナチュラルで素敵なワタシ」っていう主張を感じますよね。
やっぱりそう考えると、いくらあがいて、いくら脱げ道を探しても、女は解毒されない。
となると、勝手に薄まるのを待つか、飼いならすしかないのかな。
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