映画やジェットコースターの恐怖は作り物

交際当初から10キロ肥えたことよりも。交際当初から料理の腕前が全く上がらないことよりも。アナルファックの提案をスルーし続けていることよりも。

男性にとって決定打となるキッカケは、カノジョの言動に恐怖を感じたときです。「恐怖」って、日常生活において……いや、人生において味わう機会って滅多にない感情かと。せいぜい、ホラー映画を観たときやジェットコースターに乗ったときくらいでしょう。しかも映画やジェットコースターで味わう恐怖感は、あくまでも作り物に対して。なのでガチの恐怖とは言えません。

これが、映画やジェットコースターのように作り物でない「恐怖」となると話は別です。ものすごくわかりやすい例を挙げるなら、ケンカの真っ最中に台所から包丁を持ち出されたら……恐怖ですよね。

いかに女性のほうがか弱いとは言え、包丁という武器を装備されては、男性は「勝ち目ナシ」と判断するでしょう。仮にちょっとビビらせるためのパフォーマンスであっても、パフォーマンスとして包丁を持ち出すその思考回路に恐怖を覚えるのです。

包丁は極端すぎる例え話ですが、それに準ずるような言動があれば、男性は恐怖を感じるでしょう。なお、恐怖に至る手前には「重たい」「ヤバい」という通過点が存在します。まずは「重たい」のほうから紐解いてゆきましょう。

「重たい」「ヤバい」は通過地点

「寂しい」「会いたい」程度なら許容範囲ですが、これが「なんで会えないの?」「返信なんて1分あれば打てるでしょ!」と欲求をぶつけられ始めると、男性は「重たい」と感じ始めます。お次は「ヤバい」期です。

「返信が遅いということは浮気か?」「仕事で会えないと言いつつ浮気だろう!」など、妄想……もとい豊かな想像力による「決めつけ言動」に発展していくと、男性は「こいつ、やべぇな」と感じ始めるでしょう。その先にあるのが「恐怖」ということになります。

夜中であるにも関わらず、近所迷惑を顧みることなく大声を出し喚き散らしたり。直での暴力でないにしても家具や壁に怒りをぶつけたり。更には直で暴力を振るってくるようであれば、そりゃ「恐怖」を感じるでしょう。恐怖の感覚は、大げさに言うと「命の危険」に連結します。そうなると、命を落とすくらいなら別れようと決断するのでしょう。

以上を踏まえ結論としては、今の彼氏と別れたくないならば「暴れない」という最後の砦だけは死守すべきと思った次第です。

Text/菊池美佳子