初めて会う敏子さんを誘っていいのか?

そして、こうなると、話は尽きず、こりゃ、今日はホテル行くしかねーな、という気持ちになった。果たして初めて会う彼女を誘ってもいいのやら……。まだこの頃はそこまで僕もいわゆる「ニノミヤ活動(元気なエロ活動)」は活発化させていなかった時期なので若干ウブだった。どのように誘っていいのかわからなかったので、とある一言を言ったのだが、これが今でも顔から火が出るほど恥ずかしい。

「敏子さん、円山町の部屋でいちゃいちゃしませんか?」

要するに「ラブホテル行きましょう!」ということだが、あろうことか、「いちゃいちゃ」という恥ずかし過ぎる言葉を使ってしまったのだ。敏子さんは「いちゃいちゃ、それもいいわね。色々話すこともあるしね」ということで、会計をしてからコンビニでビールとつまみを買い、ラブホテルへ。

部屋についてしばらくはビールを飲みながら会話をしていたが、20分ぐらいしたところで敏子さんは「ねぇ、『いちゃいちゃ』ってどういうこと?」と救い舟を出してきてくれた。僕はすぐさま「こういうこと」と言い、全裸になり、彼女の服も脱がせ、一緒にベッドに入り、キスをしたり体を舐め合ったり触ったりして文字通りいちゃいちゃした。

この日は2回ヤッたが、翌朝の帰り際「次はいついちゃいちゃする?」と言われ、2週間後の同じ曜日に決定。以後、彼女とは5回ほど「いちゃいちゃ」をしたわけだが、今考えても若き日のダサ過ぎる誘い方であった。そして、毎度彼女がこの言葉を使うのも恥ずかし過ぎたのである。

Text/中川淳一郎