私が本当に望んでいるもの

しかしさすがに年齢も年齢になってきて、「恋愛とは○○でなくてはならない」という呪いからもだんだんと解放されていく。

ついに気付いたことがある。私が望んでいるのは愛する人でもなければ愛してくれる人でもなくて、「みんなと同じになりたい」ということに。
みんなが当たり前に男女でやっていることを自分もやることで、一緒になりたかっただけだったのだ。
思えば私は彼氏のことをきちんと名前で呼んだことがなかった。6人くらい付き合ってちゃんと名前を呼んだのは2人。そして、私の名前をきちんと呼んでくれた彼氏も記憶の限りでは3人だった気がする。誕生日を覚えている人は1人もいないし、そもそも全員の誕生日なんか私は知らなかったと思う。星座も血液型も知らない。
デートがしたい、料理を作って食べさせたい、記念日を祝いたい、そういうことにしか興味が一切なかった。私は多分、誰のこともたいして好きではなかったのだ。
そりゃあ誰とも長続きしないわけだ。

今は人を愛したいと強く思う

今年に入ってやっと男の人をちゃんと好きになるという経験をした。
初めて「知りたい」ってたくさん思ったし、嬉しそうな顔を見ると私も嬉しくなった。
でも、「好き」という気持ちよりも「嫌われたくない」という気持ちのほうがどうも勝ってしまう。私はまだ自分のほうが可愛くて仕方がないのだろう、自分の気持ちしかまだまだ考えられていない。だから気持ちもはっきりと伝えられないし、受け身なままだった。
その恋は10月、ついこないだにとっくに終わってしまった。片思いだったし実質ただのセフレ関係だった。でも。なんだか初めて人を愛おしいと思う気持ちってなんなのか2割くらいはわかった気がする。
齢30にして恋愛経験がやっと1、レベルアップした。

今は人を愛したいっていう気持ちがとても強い。
愛したい。じゃあ、愛するってどういうことだろう?
時々それについて考える。

男は女と付き合わなくてはならない、女は男と付き合わなくてはならない。
付き合ったら○○しなければならない。
こういう呪いで苦しんでいる若い人って意外と多いのではなかろうか。
今一度、「そもそも本当に自分はこの人のことが好きなのか? 愛した人はいたのか? 愛ってなんだ?」と自問してみてほしい。きっと反省することだらけでしょう。
少しずつ成長していきたいものです。

Text/oyumi