占いサイトや雑誌を開くと、怪しい広告を目にすることがある。身につけると幸運になれるブレスレットに、何でも思い通りになる水晶のネックレス……。そんなスピリチュアルなアイテムが並ぶ中、異彩を放つのが「別れさせ屋」の広告。依頼することで、意中の相手を恋人と別れさせてくれるらしい。そう簡単に、人と人を別れさせることができるものなのか? そんなことが人為的に可能なのか?
そこで、「別れさせ屋」のアクアグローバルサポート・藤木代表と、現役の女性工作員である水沢工作員に、別れさせ工作の実態について伺ってみることにした。
別れさせ屋に依頼をしたら、まず最初に行うこととは?
――「別れさせ屋」というお仕事があまりに謎めいているので、まずはどんな依頼があって、どのように進めていくのかをイチからお伺いさせてください。
- 藤木代表
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依頼者様となるA子さんは、B男さんのことを好き。だけど現在B男さんはC子さんと交際中。B男さんとC子さんを別れさせて、B男さんを振り向かせたい、というのが最もよくあるケースです。この場合、ターゲットはC子さんになります。
――B男さんではなくて、C子さんに働きかけるんですね。
- 水沢工作員
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依頼者様のA子さんにとって、B男さんは大切な存在で、C子さんはライバルですよね。ターゲットをB男さんにしてしまうと、工作員ができることが限られてきてしまいます。例えば、B男さんに近づくために、異性の工作員がB男さんと2人きりで食事に行くと、依頼者様が嫌な思いをするかもしれません。
――なるほど、そうですね。
- 藤木代表
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具体的に動き始めたら、まずはターゲットとなるC子さんの自宅や勤務先、容姿などを調べて特定し、そこからさらに、工作をするための調査に入ります。
――工作をするための調査?
- 水沢工作員
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効果的な工作プランを組むために、人間性や生活パターンを調査するのです。例えば、ターゲットを尾行して、スーパーで買い物をしていたとしたら、そこでの行動から人間性を読み取ります。メモを見ながら順序だてて効率よく回るのか、適当にカゴに放り込んでいくのかで、几帳面なのかおおざっぱなのかがある程度わかりますよね。一度取ったものの買うのをやめた商品を適当な場所に置いちゃってたら、マナーを重視しない人なんだな、とか。
- 藤木代表
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あと、店員さんとよく喋るのかそうでないのか、といった接し方もヒントになります。この調査フェーズでは、夏は暑い中、冬は寒い中10時間以上張り込みをするので、本当にハードなんですけどね。トイレに行きたくならないように飲み食いもほぼせずに長時間立つことも多いですし。