ミカコちゃんも昔は…

かれこれ20年以上も前のことです。当時のミカコちゃんは、とある男性とデートを重ねる関係になっていました。彼は、アルバイトをしながら専門学校に通っているとのこと。学費を支払うのが精一杯で、母ひとり子ひとりの家族構成であるにも関わらず、家にお金を入れることが出来ていない、と。それでは母親に対して申し訳ないので、遊び歩いているのではなく勉学に精進している証しとして、朝帰りはしないようにしている、と。

彼が語るエピソードを、ミカコちゃんはばか正直に信じていたのですが、あるとき共通の知人から衝撃の事実を聞かされました。ナント、彼は結婚しているとのこと。なるほど、彼が「母」として設定していた人物は「妻」だったというわけですな。

腹が立ったと言うよりも、ナルホド上手いなぁと感心させられたミカコちゃん。ほら、嘘をつく際は少しだけ真実を混ぜると良いって説、有名ですよね。彼の場合、正社員雇用ではない勤務形態や、資格取得のためスクールに通っている部分は真実でした。「母の手前、朝帰りは控えている」という部分だけ、「母」ではなく「妻」だったのです。

聞いておくべき質問は?

この20年前の実体験により、ミカコちゃんはマッチングアプリに生息する男性を見極める際、「おひとり暮らしですか?」と質問すべきと考えます。「要介護の母親と2人住まいです」など答える男性は、99パーセントの確率で既婚者でしょう。

「いやいや、ホントに要介護のお母さんを世話する心優しい息子かもしれないし」ってご意見はごもっとも! でもね、ロマンス詐欺のアジア系外国人たちが口を揃えて「自分でワインの輸入関係の仕事をしています」って言い張るのと同じように! 「要介護の母と2人住まい」って男性が一定数存在するんですよ。

たぶん、「既婚を隠して会う方法」的な商材に、「『要介護の母と2人住まい』が鉄板!」って書いてあるのでしょうね。なお、「ロマンス詐欺で日本人女性を騙す」的な商材には、「『自分でワイン輸入の会社を経営している』が鉄板!」って書いてあるのだと思います。

以上を踏まえ、マッチングアプリに潜む既婚者を見破るには、「おひとり暮らしですか?」が鉄板の質問です。

Text/菊池美佳子