ちょうどいいディープさ 1位は「新宿三丁目」
1位の「新宿三丁目」、2位の「渋谷」は名前が挙がって当然な街だが、新宿は、アルタのある東口ではなく、そこから少し外れた「三丁目」という具体名が登場したのが象徴的。近年、その発展が目立ち、常に人で溢れ、活気のあるのはこのエリア(*6)である。「程よく落ち着いているところが多い」「一人でちょこっとだけ飲みに行けるお店も多い」などの声が上がっていたように、気取らずに出かけられる場所、デートに行く場所ではなく、日常的に友だちと出かけたり、1人で出かける場所として手軽(*7)ということだろう。
(*6)活気のあるのはこのエリア:「伊勢丹のような格式のある百貨店、花園神社や末廣亭、新宿ゴールデン街のようなレトロな場所、H&Mやフォーエバー21のようなファストなものなど、ごちゃまぜの新宿3丁目(駅界隈)はやっぱり面白いと思う」(28歳、出版社勤務)というように、文化的な幅広さを楽しめるのが単なる大都市とは違うところかもしれません。
(*7)1人で出かける場所として手軽:上記のうち「新宿ゴールデン街」だけはちょっとハードルが高く思えますが、最近はある意味で観光地化された部分もあり、女性1人でも訪れやすくなった部分があるよう。アンケートの自由技術欄に寄せられたゴールデン街についての意見も「非日常なのに安心感がある」など、ちょうどいいディープさが受けている?
さて、新宿が「新宿三丁目」であるように、渋谷も、従来の人気があった公園通り、宇田川町(*8)といった場所が選ばれているわけではない。名前が挙がったのは、神泉や神山町(東急本店前通り)といった、渋谷駅から離れた、「奥渋谷」などと呼ばれる辺り。「新宿三丁目」「奥渋谷」これらのエリアの共通点は、高級レストランなどがあるわけではないけど、旧来のチェーン系居酒屋が比較的少なく、ワインバー、街バルなどの手軽な個性的なお店が多いというところ。これらが独身女性の遊ぶ街の最低条件なのではないか。
(*8)従来の人気があった公園通り、宇田川町:1990年代、宇田川町一帯は「世界一のレコード村」と呼ばれるほどまでにレコードショップ、CDショップが密集。また、公園通りには小沢健二やピチカートファイブなどが出演した伝説のDJバー「インクスティック」があったりと、いずれもかつて“渋谷系”を象徴した街。