プリン。その言葉を口にする時、なぜかほっとするのは気が抜けてしまうような響きのせいでしょうか?
私が幼い頃に食べたプリンを思い浮かべると、現在ほどたくさんの種類はなかったように思います。しかし、最近ではやわらかさが特徴のものや、卵と砂糖のシンプルなものだけではなく、紅茶、抹茶を使ったものなどバリエーションも豊富。すっかりおしゃれな食べ物として位置付けられているような印象を受けます。
好みはそれぞれだと思いますが、皆さんの好きなプリンはどんなものがありますか?
「縁結び」の純喫茶!?オススメは大き目なプリン
さて、今回は是非皆さんに一度召し上がっていただきたい純喫茶のお薦めプリンについてお話したいと思います。お店があるのは、東京・虎の門。オフィスが立ち並び、スーツ姿の方々が多く活動する地域なのであまり足を運んだことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一口食べた瞬間に誰もが思わず笑顔になるプリン。それは老舗純喫茶「ヘッケルン」で出会いました。
ヘッケルンでいただいたのは「男性でも注文しやすいように」というマスターの気遣いにより、生クリームやさくらんぼがのっていないシンプルなもの。「どんどんサービスしたくなっちゃってさ」と笑いながら運ばれてきたプリンは、確かに一般的なものより一回りも二回りも大きく、食べごたえもばっちりです。
プリンが名物なのですが、実はマスターはフレンチから割烹まで作れる料理の腕前の持ち主。他のメニューもとびきりの味で、現在はメニューにないのですが、タイミングが良いと食べることの出来る幻のババロアも絶品です。
さらに純喫茶の定番である『ゴルゴ13』が本棚にぎっしり並んでいるので、ひとりで訪れても退屈せずに過ごすことが出来ます。
これは余談ですが、ヘッケルンは常連客の間で「縁結びの純喫茶」と呼ばれています。なぜなら、人と人を繋ぐことが大好きなマスターによって、こちらで出会ったカップルが何組もご結婚されているから、とのこと。
私も数回その現場を目の当たりにしましたので、その噂の信憑性は高いと思っています。男女間に限らず、色々な方とのおしゃべりを楽しみたい方は一度訪れてみると楽しいかもしれません。
Text/難波里奈
※2015年11月20日に「SOLO」で掲載しました