本当は「いい男」なんていらないでしょ?
『東京タラレバ娘』東村アキコ/講談社
これまで女性向けに多く作られてきた「説教系メディア」は、いったい私たちに何をもたらしてきたのでしょう。もちろん、なかには参考になった話も、心に響いた話もあったことでしょう。だけど、人生指南を精神論でいくら語られても、自分って変わらないんですよね。
人間という生き物は、意外にもしっかりと自分の欲望を実生活に反映させるものです。いつまでたっても結婚できないと嘆く女性はきっと本当は結婚なんて求めてないし、いい男がいないと女子会で文句をいう女性は、本当はいい男なんてそもそも求めてないんですよ。
「そんなことないよ!」と反論されてしまうかもしれませんが、きっとあなたが本当に欲しいものは、すでにあなたが手にしているもののなかにあります。それは理想を下げるとか妥協するとか、そういうことじゃありません。視点と探し方を変えるだけです。
……と、これ自体が精神論になってしまうというブーメランなのですが、「こうすればいいのよ」と行く先を示してくれる説教系メディアに、我々女性はもう満足できなくなっている。だって頭でわかっていても、行動は変えられないから。
あまーい言葉だけを囁きながら消費を煽ってくる従来のメディアもちがうし、耳に痛いことをいって反省を促してくる昨今のメディアもちがう……さて、難しいですね。
私たちが次に聞きたいのは、いったいどんな言葉でしょうか?
Text/チェコ好き
※2015年9月10日に「SOLO」で掲載しました
- 1
- 2