パートナーを褒め讃える話は難しい
ただ褒め讃え系のほうは難しくてあまり面白い話がでてこない。以前、この連載でも書いた、付き合っている相手が70歳でちんこはヤワだけどセックスはしているとか、「俺はセックス中はドSなんだ」っていいながら「俺の首をもっと!締めろ!!!」と命令されるだとか、アナルに指を挿し入れつつ「妊娠しろ! 妊娠しろ!」とすべて間違っている言葉責めされたとか、そういう話ならばアメージングなところに興味を惹かれるけれども、ただひたすらに優しいとか、気を遣ってくれるとか、かっこいいといわれても話が広げにくくて「さいですか」としかいいようがない。まぁ友達なので聞くけれども。
ということで結論として達したのは、相手との会話を盛り上げようという意識で会話のテーマを選ぶ人と選ばずに自分のしたい話をひたすらする人がいるのだなということです。まぁ、後者であってもエピソードにキレがあれば面白いけれども。ただ、つまらない惚気話を聞く醍醐味は、そのカップルが別れた後に「あいつ、クソだったわ!」「いやー、クズでした」等々、これまでの賛美はすっかり忘れたように180度手のひらを返して愚痴っているのを聞ける場合があることで、それになぜか興奮してしまうわたしは趣味が悪いでしょうか。
Text/大泉りか
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