アレは男による性的加害だったのでは?社会人1年目の満員電車で/中川淳一郎

大阪発東京行きの夜行バスで、56歳の男が22歳の男子大学生に性的暴行を加え、逮捕された。女性専用深夜バスというものは存在するが、同性であってもこのような行為は発生することを白日の下に晒した形となった。

この手の件で2008年にネットを騒がせたのは「マスターじじい」だ。埼玉県行田市の市道で中学3年男子生徒6人に対し、「マスターベーションだ。お前らも見せろ。100円やる」と言いながら下半身を露出した。男は83歳の農家で、このような行為に至った理由は「小便をしたかった」「性教育の一貫」とのこと。

男は逮捕されるまでの5~6年間同様の行為をしていた「街の有名人」で、子供たちの間では「マスターじじい」と呼ばれていた。この子供たちのセンスはなかなかのものである。マスターじじいはもしも生きていたら今年100歳になるわけだが、果たしてこの行為をその後やめることはできたのだろうか……と、冒頭のようなニュースを見る時に思うのである。

アレはもしかしたら?

さて、冒頭の行為で思い出したが、今となっては「アレはもしかしたら男による性的加害一歩手前だったのでは」と思う経験が僕にはある。社会人1年目、JR中央線に乗って通勤をしていた。日本有数の満員列車で、朝の7時~8時台は過密ラッシュもあり、ノロノロと進むことも多く、ストレスになる。

荻窪を発車した後、スーツの尻のあたりに何やら固い感触があった。最初は背の高い客の膝が当たっているのかと思ったが、ピンポイントで尻の一部分を突いてきてる感じだった。少し頭を動かしてみると下をむいてうつむく30代後半風のスーツ姿の男だった。身長は僕とあまり変わらないため、膝ということはないだろう。

若干困惑しながらもそのままノロノロ運転の電車は進んでいく。次の阿佐ヶ谷を発車したあたりで、その固いモノが動き始めたのである。ここで分かった! こいつは男のことが好きな痴漢だ! と。そして、最初は勃起したイチモツを僕の尻に当てているだけだったのが、満員電車をいいことに手で動かして、尻の上を上下させたのである。うひゃっ! 阿佐ヶ谷から電車が発車するのはいいが、頼むからお前は発射しないでくれ! と願いつつ、同時にその男を睨んだ。