自分が何に心を動かされ、何を美しいと思うかを知ること

最近になって、「よりよく年齢を重ねる」とはどういうことかをよく考える。それは必ずしも、シミをレーザーで消したり、たるみにヒアルロン酸を注射することではないだろう。足るを知り身分相応な幸せを感じることかもと思う一方で、年をとったからといって保守的になりたくない自分もいる。

私の中でひとつ答えが出ていることがあって、「よりよく年齢を重ねる」には、自分が何に心を動かされ、何を美しいと思う人間なのかを知ることが不可欠である。それは食事でもいいし、インテリアでもいい。もちろん二次創作でもいい(ここは強く主張したい)。そういう意味では、若い頃の衝動や思い出を自分の中でどう位置づけているのかを知ることも、「何を美しいと思う人間なのかを知っておくこと」につながる。

『町でいちばんの美女』は過激すぎるので、決して万人におすすめの小説というわけではない。でも冒頭の二分類についてはぜひ、自分がどちらのタイプかを考えてみてほしい。二次創作は、自分の「萌え」と「萎え」がかなりダイレクトにわかり「私こういうのが性癖だったんや〜!」と必要以上に気づいてしまうので、ちょっと恐ろしいくらいだが……。

Text/チェコ好き(和田真里奈)

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『寂しくもないし、孤独でもないけれど、じゃあこの心のモヤモヤは何だと言うのか -女の人生をナナメ上から見つめるブックガイド-』は、書き下ろしも収録されて読み応えたっぷり。なんだかちょっともやっとする…そんなときのヒントがきっとあるはずです。