男の浮気について考えるマニア向け記事の続きです。
「【マニア限定】男の浮気について<1>」からお読みになったあなたは、
すでにお気づきかと思いますが、
これって「男の浮気」だけではなく、
女の浮気でも、前回書いたように殺人でも、なんでもあてはまりますよね。
全部、原理は同じです。
前回の記事では<パターン3>として、
彼の意識が完全にない状態で、
女性から一方的に行われた性行為の例を挙げました。
一般的に浮気とは、
恋人や配偶者以外の異性と肉体関係をもった、
つまり「性器の結合」が行われたことだ、といわれています。
しかし、「性器の結合」が行われた<パターン3>は浮気になるのか?
と聞けば、おそらく、ほとんどの人の答えは
「本人に意志がないのだから、浮気のはずがない」
となるでしょう。
そう、「浮気」というくらいだから、
問題になるのは「気」、つまり「気持ち」なのです。
<パターン3>の彼は「気絶」していた。
「気」が「絶たれて」いた。
まさに「本人に意志がない」。
だから、「性器の結合」があっても、「浮気」ではない。
これって、
「なにをあたりまえのことを」
とつい読み流してしまいそうになりますが、
実はすごく重大なことなのですよ。
なぜなら私たちの浮気の定義というのは、
「肉体関係をもったら」「キスしたら」のように、
「どんな行動をとったか」を重視しがちだからです。
また、「肉(行動)」と「気(内面)」の問題が
ゴチャゴチャになっていることが多く、
浮気についての考えが混乱しているからです。
キスだって、クラブで知らない人からノリでされたのと、
半年以上、ずっと素敵だと思っていた人と震えながらしたのでは、
「気」がまったく違うわけです。
以前の記事で書いた、師弟と娼婦の話も、
まさに「肉」と「気」の別について示唆しています。
実際に娼婦の体に触れたのは師なのです。
弟子は娼婦の体には一切触れていないのです。
だけど、何時間も娼婦を担ぎ続けていたのは、
師ではなく、弟子でした。
弟子の心には、いつまでもいつまでも、何度も何度も、
「娼婦の体に触れた、触れない」ということがリピートしていました。
いただいたコメントにありましたが、
「師匠は娼婦の体に触ることができて、いいなあ~」
と、もんもんと考えていたのかもしれません。
(私にその発想はありませんでしたが「なるほど」と思い、笑いました)
問題とすべきは、
実際に娼婦の体に触れたという「肉の接触」ではなく、
娼婦の体に触れたことにこだわり、
心の中で娼婦のことをリピートし続けている弟子のその心なのです。
それが、
「その欲望が、どのくらい心に印象を残しているか」
ということです。
私たちが浮気を嫌がり、傷つき、泣くのは、
性器という「肉」の問題ではありません。
彼の「肉」そのものだけを見るならば、
相手の女性の体液などといった痕跡は、
シャワーを浴びればすべて消えて、元に戻るはずです。
(キスマークや傷などがあれば数日かかりますが)
私たちが苦しむ原因は、
彼の頭や心の中でリピートされているであろう(と想像する)、
他の女性への欲望、つまり「気」「気持ち」「心」といった、彼の「内面」の問題
ではないでしょうか。
■
ところで、
私達がよく「浮気ってどこから?」という話をするときに、
「体の関係を持ったら」
「チューしたら」
「手をつないだら」
「下心をもってメールをしたら」
のように言うのは、
当然、「本人にそうしたいという意志がある」のが前提になっている
ということですね。
でも実際は、
欲望がどれだけ心に印象を残しているか、は目に見えません。
彼女や奥さんが聞いたところで、
「そりゃ、君にバレないように、いろんな女性とやりたいんだよ」
なんて言うことは少ないでしょう。
「友だちに誘われて仕方なく」
「相手に強引に誘われたから」
「酔っていて気づいたらホテルにいた」
のような、
「浮気をする意志はなかった」
つまり
「心に印象を残しているような欲望なんてないんだ」
という彼の言葉は、本当かもしれない。
でも、嘘かもしれない。
だから実際にとった行動から判断するしかありません。
私たちは、彼の「行動」から
「彼の中にはすごい欲望と執着があるのではないか」と想像し、
一方で、「たまたま行きがかり上そうなっただけ」
という彼の言葉を信じたい気持ちもあるので、
その両方に引き裂かれそうになって、疑心暗鬼を生じ、苦しむのです。
欲望がどれだけ彼の心に印象を残しているか、
本人以外には真実がわからないからこそ、
いけないことと思いながらも、
恋人や配偶者の携帯をこっそり見るということが頻繁に行われるのでしょう。
そうして、目に見える、
「欲望の証拠」または「欲望がなかった証拠」を集めるのです。
相手の浮気を極度におそれたり、極度に束縛する人というのは、
つきつめると、相手の頭や心の中の「欲望」まで、すべて管理、
いえ、支配していないと気が済まない人であるともいえます。
しかし、そんなことは不可能ですよね。
欲望がないことを確実に証明することはできません。
だからこそ、どこまでもどこまでも証拠を求め、
終わりのない蟻地獄にはまってしまうのです。
そして、それをつづけるなら、その恋は必ず壊れるでしょう。
今回は以上です。
まだいろいろと書くことがあるので、ゆっくり書いていきます。
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こうして、一番怖い「浮気」について解体していくと、
パニックになることがだいぶ減るのですよ。
「【マニア限定】男の浮気について<1>」から読んでくれてる人、
結構いるのかなあ。
だとしたら、とても嬉しいです。