【iroha1周年】開発女性が語る「iroha誕生に込めた思い」とは?

はじめまして。商品開発部のユウコといいます。

今日は3月3日、ひなまつりです。
女性向けセルフケアブランド『iroha』が誕生して、ちょうど1周年の記念日でもあります!
今日はそのirohaの誕生秘話と、開発者であるわたしの自己紹介をしたいと思います。

わたしは22歳でTENGAに入社し、当初は男性向け製品の販促物のデザインを担当していましたが、今ではirohaの立ち上げから商品開発、デザインに至るまですべて携わらせていただいています。

そんなわたしは入社するまで、いわゆる「大人のおもちゃ」と言われるグッズにはあまり触れてきませんでした。実家ではテレビでキスシーンが流れると強制的にチャンネルが変えられ、セックスは20歳まで禁止!高校生の頃には男の子と近所を散歩しただけで「ご近所さんに見られたら恥ずかしい」などと言われたり。
いわゆる箱入り娘?のような扱いなのか何なのか、とにかく性に厳しい家庭で育ちました。
(とはいえ、こっそりと人並みに経験を済ませてきましたが…)

また不思議なことに、両親とも兄には性教育をするのに、なぜか私には踏み入った話をまったくしませんでした。女の子は性についてあまり知らない方がいいというのです。

「女性が主体的にするセックスやマスターベーションは何故恥ずかしいことなの?」
という思春期のわたしのまっすぐな問いに、両親、とりわけ母がいつも困っていたように思います。
「性感染症や望まない妊娠に繋がるから」というのはもちろん、「女性として慎ましくあって欲しいから」など母なりの答えを示してくれましたが、わたしは「女性が性に関して知識がある、経験がある=慎ましくないってことなの?」と、心のどこかでずっとモヤモヤを抱える日々。

なのでわたしの家庭では、思春期に知るべきセックスの正しい性知識とか、マスターベーションについての知識は自分で探して情報を精査するしかありませんでした。
性についてもっと知りたい&体験したいという欲求を持つわたしは世の中から見ておかしいんじゃないかとか、親が思う良い子になれてないんじゃないかという罪悪感と常にたたかっていた思春期。

そんな10代を過ごした反動からでしょうか。
世の中の多くの人が「恥ずかしいもの」、「隠すべきもの」として扱ってきた『性』について、まじめに、いろいろな面から探ってみたいという思いを強く持つようになったわたしは、自分にぴったりだと感じたTENGAに入社しました。

これについて母はすごく驚いた様子でしたが、自分の思いを真剣に伝えなんとか説得。

そして「性を表通りのものにする」という企業理念のもと、女性の性に関してももっと明るく、もっと真剣に向き合っていきたいという思いから、2013年3月3日に女性向けセルフケアブランド『iroha』の立ち上げに携わり、嬉しいことに今日で無事1周年を迎えることができました。

はじめのうちは試行錯誤の繰り返しで、自分が追い求めている「女性の性」が何なのかわからなくなることもしばしば。
社内外の女性モニターたちはみんな年齢や育った環境や経験値がばらばらなので、試作品テストをすれば十人十色の答えが返ってきます。
中には、「したことがないのでやり方がよくわからない」という声もありました。
今まで女性たちのマスターベーションが一般的なものとして扱われてこなかったからこそ、irohaとして女性の性のあり方をどう示していくか、ブランドの方向性を決めるのがとても大変でした。

石工試作段階のiroha HINAZAKURA(ひなざくら)

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そんな中、励みになったのはヨーロッパの市場視察です。
パリのとあるグッズショップは大通りに面したお洒落なガラス張りの店構え。ぱっと見、いや、よく見てもグッズショップには見えません。まるでファッション雑貨店のような雰囲気で、
そこへ白昼堂々、女性の一人客やカップルたちが気軽に入っていくのです。
そこでは性があたりまえのものとして扱われ、ちょとした生活のスパイスとしてアダルトグッズが売れていきます。

そして何よりスタッフもお客さんも、バッグや化粧品を扱うように商品と向き合っていたのが衝撃的でした。日本の性文化もここまでまっすぐなものになれたらどんなにいいだろうと強く思いつつ、まだまだやらなければいけないことがたくさんあると痛感した市場視察。
海外の女性たちがとてもまぶしく見えました。

パリのセレクトグッズショップ 店内の様子

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スペイン セレクトグッズショップ 店内の様子

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そんな中で、今日までたくさんのスタッフと力を合わせてここまで来れました。
女性スタッフだけでなく、男性スタッフたちは寝る間を惜しんで開発にあたる毎日。
立ち上げから今日まであっという間の1年間でしたが、
「irohaのPVみたよ!」とか、「ブランドコンセプトを読んで共感しました」などお客様の声をいただくたびに目頭が熱くなります。すごく嬉しいです。

そんなirohaは、かつての私がそうだったように、からだが求めるきもちよさと向き合う事に迷っている女性たちへ向けて作られました。

決して強制はせず、迷う女性たちの背中をやさしく押してあげるような存在になりたい。
いつの世も女性の性をまっすぐに肯定しつづけ、一緒に成長していける存在になりたいという願いを込めて。

irohaを少しでも多くの方に知って欲しい、自分らしい性のあり方を見つけて欲しいと願う毎日です。

家のベッドサイドに飾ってる観賞用iroha。

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少しでも日本の女性たちの性が明るく、素直に楽しめるものになっていくことを祈りつつ、
これからも「あたらしい女性らしさ」を提案していきたいと思います。

ユウコ