女の嗅覚は極めて神秘的
第1回【絶世の美女たちからは良い匂いがした!?愛する男を虜にする魅惑の香り】、第2回【男を振り向かせるにはシャンプーの香りが一番!いますぐ実行できる「ギャップのある香り」】では香りをまとうことで異性を引きつけることができ、さらにセックスアピールに効果的ということを語ってきました。嗅覚の最終回では、実際に自分にとって良い男性を見分ける「嗅覚」のパワーについてお教えします。嗅覚のメカニズムを知り、鍛えることであなたにとって、より良いパートナーに巡り逢えることができると考えているからです。
ここで、ちょっと面白いエピソードを。スイスのベルン大学で「くさいTシャツ実験」と呼ばれる一風変わった実験が行われました。これは、ヒトの免疫に関わる白血球の血液型HLA(※1:下記に説明有)の研究のひとつです。実験内容は、男性の被験者42名にふた晩、新品のTシャツを着てもらい、自分の匂いをしみこませてもらいます。実験前は、彼らにアルコール、タバコ、香料など、純粋な体臭を妨げるモノの摂取を絶対禁止。2日間で彼らの体臭のついた、Tシャツを女性の被験者46名が“利きTシャツ”(匂いを嗅ぐ行為)するという内容です。結果、それぞれの女性に匂いの好みがあることがわかりました。女性の好ましく感じるTシャツは誰かひとりに集中することなく、バラバラだったのです。この理由を調べていくと、より免疫力が高い子孫を残すために、自分とHLA型が異なる男性を“いい匂い”と感じることが明らかになりました。
この実験の被験者は、生理が始まった日から2週間目(月経周期の真ん中)の女性のみ対象。排卵期は、嗅覚が一番敏感になる時期という理由からです。よって、上記の結果のように、自分に合う遺伝子を見極めることができたのです。一方、全く逆の結果で、自分と近いHLA型の男性の匂いを好む女性もいました。彼女たちに共通していたのは、ピルを服用していたこと。ピルを服用することで、疑似妊娠状態をつくるため、出産を援助してくれる近親者(自分のHLA型と似ている人)を本能的に選んでいると分析されています。
よいセックスには、研ぎすまされた嗅覚が必須
排卵期という時期の問題もありますが、それ以外に一体どのように嗅覚を鍛えることができるのか。実は簡単、嗅覚を意識して使うのみ。まずは、いい香りをひたすら嗅ぐことから始めるのがおすすめです。具体的には、アロマテラピーやハーブを使った料理、お花屋さんに行くなど、日常生活に「いい香り」を取り入れること。四季の香りを感じながら散歩とかもすぐ取り組めるのでおすすめですよ。というのも、香りは嗅神経を伝い、大脳に届き、初めて“匂い”として自覚されます。「いい香り」と大脳に判断された場合のみ、緊張した脳のストレスを解消させ、ホルモンバランスや自律神経、免疫系を整えてくれるのです。女性ホルモンのバランスが整うことで、女らしい艶のあるカラダがつくられる。そして、セックスにおいても良い効果が。セックス中は、交感神経と副交感神経がシーソーのように切り替わります。感じている時、オーガズム後は、「副交感神経」が優位になり、オーガズムに向かう時は「交感神経」が優位になります。このように、「いい香り」を嗅げば嗅ぐほど、感じやすいカラダをつくることができます。
嗅覚は、使えば使うほど、敏感になる性質があります。逆に言うと、意識して使わないと、退化してしまうのです。最近のあなたの生活を思い返してください。鼻よりも食品の見た目であったり、そして男性の外見であったりと、すぐ目に見えるものに引きづられてしまってはいませんか? 嗅覚を鍛えれば、自分にぴったりな男性を見つけることができ、さらにセックスも楽しめて、いいことづくめなのです。鍛えなくては、損ですね!
次回からのLesson2では、愛を深め、命を繋いでいくために必要不可欠な「味覚」を磨きましょう。Lesson1でお伝えしてきた「嗅覚」と「味覚」は兄弟のような関係なんですよ。
毎週金曜日更新です。次回、『どんなセックスをするかは和食を食べれば分かる!? ご飯の食べ方で分かるセックスの相性』をお楽しみに。
Text/OLIVIA
※1白血球の血液型HLA
HLAは、白血球とほぼすべての細胞と体液に分布している免疫に関する遺伝子の複合体こと。男女間において、HLA型の似ていない者同士が出会い、生まれた子供はこの免疫情報も多く、免疫力も強い、病気に対して抵抗力のある子供に育つと言われている。
※参考文献
竹内久美子著『女は男の指を見る』新潮新書