一匹狼スタンスは男性への「気遣い」

 このとき声をかけてきたのは、自称27歳のスタイリストです。
彼はなかなか賢いナンパマンですね。ブランドショップや貴金属店から出てくるオンナに声をかけるより、「大人のおもちゃ」専門店から出てくるオンナのほうが引っかかりやすいと想定していたのでしょう。
裏を返せば、ナンパされたいなら「大人のおもちゃ」専門店へレッツゴーということになります。もちろんおひとりさまで。女友達を伴って複数名でキャーキャー言いながらでは、男性側は恐ろしくて声がかけられません。
一匹狼スタンスでいることは、お声をかけて頂く私たち女性側がすべき「気遣い」なのです。

 スタイリスト男は、トークもスマートでした。
「何を買っていたのかな、ぐへへ」なんて質問をされたら、さすがにドン引きしますが、筆者が「大人のおもちゃ」専門店から出てきたことに関しては一切触れず、「ヒマ?」とナチュラルな会話に徹したのです。素晴らしい!
2時間後にスタジオとやらに戻らなければならないとのことで、さっそくセックスすることにしました。

 スタイリスト男の残念な顔が見えてきたのはここからです。
すぐ近くにラブホ街があるというのに、「路地裏でしよう!」と言い出してきました。山奥ならまだしも、東京のド真ん中でアオカンなんて、ご勘弁頂きたいものです。いや、山奥でもご遠慮願いたい。
これはあくまでも筆者の個人的意見なのですが、密室じゃないと快感に集中できないんですよね。よって筆者は、アオカンプレイに一切興味が持てないのです。

「アオカン断固拒否」の姿勢を貫くと、スタイリスト男は「じゃあレンタルルームに行こう」と方向転換しました。
なんでラブホじゃダメなんだよ!
今でこそ、小綺麗なレンタルルームも存在するでしょうが、5年前はレンタルルームって決して良いイメージの場所ではありませんでした。
こやつ、筆者とのセックスに相当カネをかけたくないんだな……。

 ここで帰っても良かったのでしょうが、「レンタルルームでのセックスって、何かのネタになるかもしれない」とポジティブシンキングに切り替え、とりあえずついていくことにしました。
セックスシーンに限らずですが、不本意な目に遭わされた時は、「ネタになるかもしれない」と、芸人脳に切り替えることをオススメします。後日、飲み会の酒の肴くらいにはなるはずです。筆者も、この場をお借りしてネタとして披露することが叶いました。

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