「不倫がバレやすい男性」と「絶対バレない女性」の違いとは?/中川淳一郎

同世代の人妻・真紀さんとエロをしていた時期がある。真紀さんも含めてなのだが、どうして女性はこうも「私の浮気(不倫)はバレない」という自信を持っているのだろうか。浮気(不倫)をしている男は、後ろめたさから突然家にお菓子を買ってきたり、「今日も遅いわね」と言われたら「後輩が仕事の悩みがあってさあ……。カネも出してやったよ。まぁ、管理職もつらいよ」なんて言うも、女性はもう気付いている。ましてやトイレにスマホを持ち込み、やたらと出てこない時も、愛人とLINEのやり取りなどをしていることはバレている。

後ろめたい行為をしているから、不自然な言動をその前後で取り、それが2ヶ月に3回でもあろうものなら、あとはスマホチェックである。迂闊な男はケチ心からラブホテルのポイントカードやらスタンプカードまで財布に入れている。となれば、もはや言い開きはできなくなる。慎重な男であれば、そんな証拠は残さず「疑惑」の段階で一旦「経過観察」となるが、そこで探偵の出番が来る。探偵は結構な高確率で動かぬ証拠を獲得する。それにより、離婚の時に有利な条件を引き出せるのだ。

また、不倫がバレた場合の明確な証拠は、夫婦でセックスをしていない時に妊娠が発覚した場合だ。僕は避妊具を使って、さらに発射しそうになったら外に出す、という念には念を入れた避妊をしているため、妊娠の可能性は当然低い。その行為をすると「大丈夫よ~。私ピル飲んでるからそこまでしないでいいのよ」と大胆なことを言う。こちらは、彼女の家庭をぶっ壊したくないから念には念を入れているというのに、なぜここまで豪気なのだろうか。

不倫がバレないためにしていた工夫

真紀さんは、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)に登場する外科医・大門美知子(米倉涼子)の決めゼリフ「私、失敗しないので」にも似た「私、誰にもバレないので」と言う。しかしながら、僕と会っていて夜少し帰るのが遅かったり、土日の昼間に「学生時代の友達と昼飲みしてくる」と言いながら出て行ったらさすがに怪しまれないのだろうか。毎度真紀さんから誘われたのだが、僕は毎度ヒヤヒヤしながらその日を迎えるのだった。もしかしたら、夫が雇った探偵に狙われてはいないだろうか……、やら彼女のバッグに盗聴器を仕掛けられていないだろうか、すら心配していたのである。

だからこそ、ホテル街に入ると緊張をし、誰かが尾けていないか、ビルの踊り場で一眼レフカメラを構えているヤツがいないか、などをチェックするようにしていた。無事ホテルに入り、2時間の濃厚なエロエロタイムを過ごした後は互いにスッキリして「さーてと、もう一杯飲もうか!」なんて行為前の心配な気持ちは失われた。

僕は二次会の場所として、焼き鳥屋を主に選んだが、その理由は焼き鳥やタバコのニオイを彼女の服や髪の毛につけるためだった。真紀さんは「別にそんなことしないでもバレないわよ。普通の店でいいわよ」と言うのだが、「とにかくオレの安心のためにその手の店に行ってもらえますか?」とお願いするほどであった。