バレたくなかった2人

これが意味することは女性の場合は「処女膜が破れて血が出たら処女の証明」ということだ。結婚前にセックスをする女性は「ふしだら」という扱いを受けていたのが1980年代なのだ。そして、男性については、「勃起ができないのは恥」ということを意味する。だから疑似勃起チンコを着けてエロ行為に臨むのである。

互いに騙しているのだが、「そんなもん、気にするなよ」と思う。さすがに今の時代、結婚段階で処女ではないのは普通のことだが、男にとって勃起ができないというのはかなりキツい。

女性も事情は汲み取ってくれるため「今日はしょうがないよね~」と優しく言ってくれるが、本当は「勃起してほしかったな……」と思っているだろう。

射精ができなくなった男性

そんな中、いいことなのか悪いことなのかよく分からないが、「射精ができなくなったけどイケる」という40代の男に会った。彼は僕と会うなりこう言った。

「ニノミヤさん、いやぁ~、いいですよ! ついに精液が出なくなりました!」

「えっ? それって問題ないの?」

「ネットで見たのですが、特に問題はないそうです。でも、ちゃんとイケるんですよ! それでいてあのデローンとした液体が出ないのでこちらとしても快感は味わえるし、女性だってあんな液体が出ない方がいいでしょ? 僕は無敵のチンコを手にしました! どうせ子供を作る気もないし、これって最高じゃないですか?」

果たしてコレが本当にいいのかは彼の今後次第だが、「勃起ができない」よりも「射精ができない」の方が男にとっては良いと考える人物もいるようである。まぁ、彼は子作りを諦めたのかもしれないが、それはそれで引き際を考えた立派な考えではある。

Text/中川淳一郎