ラブホテルでどうなる!?

こうなると話は早い。近くのコンビニで僕用のビールと彼女のお茶を買い、ラブホテルへ。友人だと思っていた女性とまさかこうなるとは思っていなかったし、本当にラブホテルで何もない可能性はあるため、エレベーターでは手も繋がないし、キスもしない。部屋に入っても特に何もしない。

二人してベッドに腰かけて近況報告をするのだが、20分もするとお互いムラムラしてくる。そして彼女はスーツの上着を着たまま僕の上に乗っかってきた。

「ほら、見て、鏡。なんかさぁ、私ね、真面目な会社員の恰好でこうやってラブホテルみたいないかがわしい場所で男の上に乗っかってる絵面ってすごくエロいしふしだらな感じがして好きなの。なんかいいでしょ?」

確かにそれは異論はない。様々なコスプレ風俗の店はそのようなニーズを満たすものなんだな、と初めて分かった。そして、彼女は上着を脱ぎ、ブラウスのボタンを4つ外してブラジャーが見えるようにした。

「もっとエロくなったでしょ? ニノミヤ君とはこんなことやるの初めてだけど、まぁ、仕事頑張ってるからいっかー」

かくして彼女は少しずつ戦闘服を脱ぎつつ「見てみて、ここまでになったよ。あなたも脱いで」なんてエスカレートしていく。彼女自身、いつかこうしたプレイをすることを楽しみにしていたといい、今日僕と会うことが決まったら誘おうと山手線の中で決めたそうだ。

真面目に働く同僚を見て…

かくして残りの1時間半で2回セックスをし、髪の毛をゴムでゆわいてお湯だけで首から下の汗を洗い流す。そしてバスルームから出るとすぐにスーツに着替え、最後、髪の毛に乱れがないかを確かめて夕暮れの渋谷の街へ出て行くのだ。これで定時の17時30分少し前に無事着けるそうなのだが、少し前までの全裸とこのギャップが彼女は好きなのだという。さらに、オフィスに戻ったら同僚が皆真面目に仕事をしている様を見て、少しだけ「勝った」と思うそうだ。

実際当連載のエロ体験の多くは無職時代に多かったので、別の女性との話もまた今度。「なぜ、無職男を誘うのか」という深層心理に迫っていく(って大袈裟だな)。

Text/中川淳一郎