夫の熱血指導とトイレ問題
仕事以外でも、私がアドバイスを求めると夫はいつも親身に対応してくれる。
たとえば、私は常々「痩せてえな~」と呟き、東でコアリズムが流行ればAmazonで購入し、西でイージー・ドゥ・ダンササイズが流行ればAmazonで購入し、未開封のまま3年ほど放置する人間である。
そこで我が夫は「買っただけで満足していては痩せない」などと無粋なことは言わない。そんなことは当人が百どころか京も承知だからだ。
以前「ビヨンセがフラフープで痩せた」というセレブ記事を読み、速攻でフラフープをAmazonで購入し、買っただけでビヨンセになった気でいたのだが、なんせフラフープはDVDの二十倍ほどの円周で存在感があるため、いっちょ回してみるかと思い立った。
が、いざやってみると一周も回せない。「私ったらフラフープも回せないみそっかすなのね…」と北島マヤのようにメソメソしていたら、風呂上りでパンツ一丁の夫が「なぜ泣いているのか?」と近寄ってきた。
そこで事情を説明すると「フラフープは腰を前後に振って、遠心力で回すものなのだ」とアドバイスをくれて、みずから手本を見せてくれた。腰を前後にブンブン振りまくる夫を見ながら
私「トランクスの穴からチンポが飛び出してるわよ?」
夫「チンポが飛び出す勢いで前後に腰を振るんだ!」
そんな熱血指導の甲斐あって、どうにか回せるようになったのだが、現在フラフープはやはり放置されている。掃除機をかける時に倒れてきて面倒くさい。
チンカイカイからチンポの話が続いているが、せっかくなのでこのまま続けようと思う。
夫に座ってオシッコさせるか問題。
潔癖症の女友達は「床にオシッコが飛び散ってたら、咄嗟に夫を殺してしまう」と言い、夫に座ってオシッコしてもらう派らしい。
私もなるべく飛び散ってほしくはないが、「座ってオシッコしろ」とは言いたくない。
なぜなら私の理想はラオウのような漢であり、ラオウが座ってオシッコしてたらイヤだから。
ちなみに「ペニスのサイズの差がセックス力の決定的な差ではないことを教えてやる!」派の私であるが、「ラオウがソチンだったらヤだよな」という理由から、ビジュアル的に物足りなさを感じてしまう。
トイレ問題については「漢たるもの、堂々と立ってオシッコせよ!」派の私だが、使用後に便座を上げっぱなしにするのはやめてほしい。気づかずに座って便器に尻がハマると、ショック死しそうになるから。
以前、便器に尻がハマって「ベンキマンに流されたキン肉マンになるやないか!」と夫に訴えたら「便器にパンツを詰まらせて脱出すればいい」と返されたが、そんな器用なことできるか。
TOFUFUのテーマは“夫婦で生きる”だが、夫婦で生きるとは、時には便器に尻がハマるということである。
人生には予期せぬ出来事がつきもので、それを2人で乗り越えていくのが…と、いい話風にまとめようとしたが無理なので、トイレでは便座が下がっていることを確認するのをおすすめします。
Text/アルテイシア
※2016年9月6日に「TOFUFU」で掲載しました
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