美女になるための哲学『ニーチェ、愛の言葉 美女をつくる60の条件』

 19世紀の哲学者、フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ。
数々の歴史に残る格言を残しているニーチェですが、永遠の女性のテーマである「美」についても、いくつもの答えを出しているそうです。

 本書の著者である、作家で哲学者の適菜収さんは「世間には数々の美人になるための本が溢れ返っているが、ニーチェほど深く美について考えた人はいない」と綴っています。
そして「美人になりたい女性は、まずニーチェの言葉に学ぶべき」だと断言しているのです。

「女の最大の技巧は嘘をつくことであり、その至上の感心事は見せかけと美である」。

 こちらのニーチェの言葉は、自然体が大事だと考えている人にとっては、目からウロコかもしれません。
化粧は素顔を隠すことですが、男性はその嘘を含めて尊重して愛すのだそうです。
適さんは、「すっぴんで通して自分を暴露するのは愚かなこと」とまで書いています!
美女は隠す部分を知っていて、仮面をかぶり自分を神秘的に見せる。
見えない部分のある魅惑的な女性にこそ、男性は惹かれる。だから、メイクはとても大事なのです。

 「紅茶は朝だけききめがある。少量だが、濃くしたのを飲むこと」

 ニーチェは食べ物や飲み物についても多くの記述をしています。
間食やコーヒーは悪いもので、出来るだけ座っている時間を短くし散歩をすることを提唱しているそうです。
美女は、小さな心がけを大事にして、自分の体に誠実である人のことを指すようです。

 「男たちはある種の思わせぶりな、ねっとりとした優しみによって、最も確実に誘惑されるものだからである」

 場を盛り上げるのが得意で、友達も多い。しかし、いつまでも売れ残ってしまう女性がいます。
そういった女性のほとんどが、本命の相手を目の前にすると不安になったり落ち着きがなくなるのだとニーチェはいいます。
口数の多いことは裏目に出てしまい、さらには美しい女性の引き立て役にしかならないようです。
「うるさい女は嫌われる」。
思わせぶりな物腰で男性を誘惑するのがニーチェの考える美女なのです。

 19世紀の哲学者が教える、時代を越えた美女像。
適さんはニーチェの言葉から「美女とは時代錯誤で反時代的な生き方をする」という解釈を導き出しています。
ニーチェの言葉は、きっと真の美しさとは何かという疑問を持っている女性たちに、多くのアドバイスを与えてくれるでしょう。

書名:『ニーチェ、愛の言葉 美女をつくる60の条件』
著者:適菜 収
発行:KKベストセラーズ
価格:¥1,365(税込)

Text/Yuuko Ujiie