どんな高級レストランやブランドもののバッグよりも、彼が探し回って手に入れてくれたお気に入りのぬいぐるみのほうが嬉しい…なんてこと、ありませんか?
女性にとって最大のプレゼントは、彼が自分のために時間や手間ひまをかけて何かをしてくれたという、その“気持ち”だったりしますよね。
とかく効率や経済性、生産性といった合理的なモノサシばかりが優先される時代、昔ながらのものづくりが再び見直されているのも、人の気持ちやぬくもりが伝わってくるからでしょう。
そんな日本の伝統的なものづくりの中でも、とくに東北地方の食と住に着目した展覧会『テマヒマ展〈東北の食と住〉』が、六本木の21_21 DESIGN SIGHTにて開催されています。ここは、衣服デザイナーの三宅一生と、グラフィックデザイナーの佐藤卓、プロダクトデザイナーの深澤直人がディレクターを務める、日本でも珍しいデザインやプロダクトをテーマとしたスペース。佐藤、深澤がディレクションをした本展では、長く厳しい冬を越す中で育まれてきた、自然に寄り添う「手間」と「ひま」のプロセスに注目し、東北地方のものづくりの特色や魅力、考え方から、明日のデザインに生かすべき知恵や工夫を探ろうという興味深い試みがなされています。
デザイナーをはじめ、フードディレクターやジャーナリスト、映像作家、写真家で構成されたチームが東北6県をリサーチ。
歴史のなかで培われた独自の伝統を継承する農家。時代や社会の動きを見つめ手仕事を再興する職人。
若い才能とともに新たなものづくりの可能性を開拓する工房……。
さまざまな人たちへの取材を通して、東北地方のものづくりに迫っていきます。
中でもメインとなるのは、東北の「食と住」にまつわる実物展示。凍り豆腐やいわしの焼干し、きりたんぽ、いぶりがっこといった食品から、曲げわっぱ、会津桐だんす、ボッコ靴、南部鉄器といった工芸品にいたるまで、55種類のさまざまな品々をプロセスや材料、道具、そして完成品とともに展示するさまは圧巻です。
スローフードやスローライフといった言葉ばかりが上すべりする現代社会。
本当に「手間ひまをかける」とはどういうことなのか2人で一緒に見直してみましょう。
そうすれば、最近メールの返信やデートの誘いがおざなりになってきた彼も、あなたへの愛情表現を変えてくれるかも…?
名称:テマヒマ展〈東北の食と住〉
会期:2012 年4月27日(金)~8月26日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京都港区赤坂 9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内)
開館時間:11:00~20:00(入場は 19:30 まで)
休館日:火曜日
入場料:一般1,000円 大学生800円 中高生500円 小学生以下無料
問合せ:03-3475-2121
URL:https://www.2121designsight.jp/
Text/Fukusuke Fukuda