日本の代表的な伝統芸能である歌舞伎。
最近では、映画やドラマなどの現代劇に出演する若手の歌舞伎俳優も増えてきたとはいえ、「興味はあるけど、なんとなく敷居が高くて……」と思っている人も多いのではないでしょうか。
客席の年齢層も高いし、ましてやデートで行くには不向きなのでは……?
そう思って尻込みしてしまっているとしたら、それはとてももったいないことですよ!
歌舞伎は、江戸時代の庶民が楽しんだ大衆芸能。
芝居小屋は今でいうライブハウスのようなものでした。
お目当ての歌舞伎俳優を見に行くミーハーなノリは、ジャニーズタレントのコンサートに行くがごとし。
演目も、当時起きた事件を時事ネタとしていち早く物語に取り入れるなど、ワイドショーや社会派ドラマのような趣が強かったんです。
おまけに、隈取と呼ばれるメイクやド派手な衣装に身を包んでの演技は、“常識をはずれたパンクなパフォーマー”として江戸の人々の目に映ったことでしょう。
そんな、当時最高のエンターテインメントだった、猥雑で刺激的な歌舞伎の雰囲気を味わえるのが、昨年11月から月替わりの演目でロングランが続く『平成中村座』です。
これは、中村勘三郎が長年の願いを実現させた一大プロジェクト。浅草・隅田公園内に設営された仮設劇場は、まるで江戸時代の芝居小屋にタイムトリップしたかのような感覚を呼び起こしてくれます。
4月の演目は、現代演劇を代表する演出家・串田和美が演出を手がける第一部『法界坊』。
残忍な一面を持ちながらも憎めない坊主・法界坊を勘三郎がエネルギッシュに演じます。
第二部は、実際に起きたお家騒動を基に、疾走感あふれるストーリーと、けれん味に満ちた演出が手に汗握る『小笠原騒動』です。
また、ロングランの最後を飾る5月は、いずれも歌舞伎のダイナミズムとスペクタクルを存分に味わえる3演目が、昼の部と夜の部それぞれで上演されます。
出演する歌舞伎俳優も、勘三郎をはじめ、橋之助、勘九郎、七之助と、ふだん歌舞伎を見ない人でも見聞きしたことのある実力派が勢揃い。
気になる役者を追いかけるもよし、お弁当を食べながらくつろいで見るもよし。
非日常の空間でアミューズメント気分とともに演劇を堪能する体験は、デートにもぴったりだと思いませんか?
名称:『平成中村座』
会場:浅草・隅田公園内 仮設劇場(東京都台東区)
チケット:四月大歌舞伎、五月大歌舞伎発売中
チケットホン松竹 0570-000-489または03-6745-0333(10:00~18:00)
チケットWeb松竹 https://www1.ticket-web-shochiku.com/pc/
ほか、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスなど各種プレイガイドにて発売
URL:https://www.nakamuraza.com/
【四月大歌舞伎】
演目:第1部『法界坊』
第2部『小笠原騒動』
日程:2012年4月2日(月)~26日(木)
第1部11:00開演 第2部15:30開演
料金:松席(1階平場)14,000円 竹席(1・2階)14,000円 梅席(2階)10,000円 桜席(2階)9,000円 お大尽席(2階)35,000円
【五月大歌舞伎】
演目:昼の部 一、『本朝廿四孝 十種香』
二、『四変化 弥生の花浅草祭』
三、『神明恵和合取組 め組の喧嘩』
夜の部 一、『歌舞伎十八番の内 毛抜』
二、『志賀山三番叟 上演口上』『江戸随一 志賀山三番叟』
三、『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』
日程:2012年5月3日(木)~27日(日)
昼の部11:00開演 夜の部16:30開演
料金:松席(1階平場)14,500円 竹席(1・2階)14,500円 梅席(2階)10,000円 桜席(2階)9,000円 お大尽席(2階)35,000円
Text/Fukusuke Fukuda