日本発のファッションをグローバルに発信すると共に、東京を世界のファッションビジネスの拠点にすることを目指して年2回開催される“メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京”。
ここでは3月18日〜24日の期間中に発表された最新コレクションから、AM読者におすすめの2ブランドをご紹介。
まず、デザイナーMUGが手がけ、以前より高い人気を誇る「G.V.G.V.」。
このブランドは、何と言ってもいい意味で本能的に女性が持つエロティシズムや可愛さをわかっているのが魅力です。
最新作のテーマは“GLAM CHIC”。
トラディショナルな英国スタイルを軸に、グラマラスで性別を超えたグラムスタイルを合わせ、独特のムードを醸しだしています。
今季の代表的なルックは、メンズライクなパンツスーツにハイネックのプルオーバーを合わせた3つ揃え。
そこにメインモチーフのペイズリーやチェック、レースなどを加え、マスキュリン×フェミニンが調和する独特のデザインへと昇華していました。
ミドル丈の禁欲的なプリーツスカートも、煌めくゴールドで艶やかさをプラス
。男前な潔さと匂い立つ女らしさが共存する、媚びない女のためのモード服。
こんな女性ならではの危うい二面性、実は結構好き、という男性も多いかもしれません。
2年ぶりにランウェイショーを開催した“beautiful people”のテーマは、“NO TENKI II”。
先のプレフォールコレクションから続くストーリーで、様々なアイデアを盛り込んだあまのじゃく的なユーモアを持ちながら、最終的には楽しいのが一番、と言わんばかりの能天気なコレクションが登場しました。
冬のハワイ、という舞台設定もどこかゆるやかでリラックスした雰囲気。
ランウェイを歩くモデル達が着ていたのは、サーフTシャツのようなラムズウールのセーター、ウエットスーツにインスパイアされたトレーナーやアウター、パイナップル柄のジャケット、またミンクのPコートやリバーシブル仕立てのチェスターコートなど。
冬なのに夏、カジュアルだけどドレッシー、といったやはりあまのじゃく的な茶目っ気が何とも憎めず、ベーシックながらも新鮮なスタイルを打ち出しています。
このブランドのシグネチャーとも言える、大人と子どもが共有できるキッズシリーズも健在。
というわけで、クリエーションとビジネスの両立に関して懸念点も多い日本のファッション・ウィークですが、そんななかしっかりと一般にも認知度が広がり、新しさがありつつもきちんと着ることができるブランドがこの2つ。
自分らしさを大事にし、かつ恋心も忘れないAM読者にこそ着こなして欲しい個性豊かな日本発のファッションがここにあります。
● G.V.G.V.
https://www.gvgv.jp/
● beautiful people
https://www.beautiful-people.jp/
Text/Yoko Kondo(Fashion editor)