本が大好きな人にとって、無料で本を借りることができる公立図書館の存在は強い味方。
最近では新刊も充実していて、カフェやインターネットが使えるブースも併設されているなど、一般の書店やブックカフェと同じくらい、その利便性や居心地は向上しています。
とはいえ、さすがに読書好きのカップルでも図書館をデートコースにする人はあまりいないのではないでしょうか。
でも、日比谷公園の中にある「千代田区立日比谷図書文化館」は、わざわざデートで訪れる価値のある素敵な施設なんです。
この図書館がまず特徴的なのは、図書館とミュージアムの複合施設であり、「本の博物館」としての性質も備えていること。
4階の特別研究室には、台湾総督や貴族院議員を務め、海外事情に精通していた官僚・内田嘉吉が集めた約1万6000冊の古書を収蔵しています。
17世紀に出版された『ドン・キホーテ』や、19世紀に出版されたナポレオンの伝記、江戸時代に日本を訪れた西洋人の話をもとに将軍邸の様子を描いた海外の資料など、普通なら閉架書庫にしまわれるような貴重な洋書を、直接手に取ることができるんです。
2・3階の図書フロアにも大正~昭和初期に発行された文豪たちの作品などが揃います。
特別研究室に隣接する2時間300円の有料席では、PCを持ち込めばインターネットの利用も可能。
日比谷公園を一望できる眺めのいい個別デスクは、ノマドワーカーたちの絶好の穴場にもなっています。
そしてもうひとつの特徴は、図書館には珍しいおしゃれなライブラリーショップ&カフェや、レストランを併設しているということ。
ショップはミュージアムの関連書籍、文房具などの雑貨のほか、伊坂幸太郎や谷川俊太郎といった作家が選書した本が買える「作家書店」の棚など、本好きの心をくすぐるコーナーが目白押し。
カフェにはなんとバリスタが常駐しておりラテアートを施してくれ、クッキーやサンドイッチなどのテイクアウトメニューも充実しています。
フタ付きの飲料であれば図書フロアへの持ち込みも可能で、逆に図書フロアの本をカフェやレストランに持ち込むこともできるなど、時間を気にせずにゆったり本を楽しめるようになっています。
ほかにも、図書フロアでは時事ネタや季節に合わせた本の展示が行われていたり、約550誌の雑誌を扱っており興味深い専門雑誌も並ぶなど、気になる本と出合えるはず。
古代から現在まで、江戸・東京の文化や歴史を学べる常設展示室は、古地図や『ブラタモリ』などが好きな人にはぴったり。
著者を招いてのセミナー・ワークショップなど、本を通して交流を深められるようなイベントも開催されています。
読書好きのカップルはもちろん、おひとり様の女性もジブリ映画『耳をすませば』のような素敵な出会いが期待できる…かも(笑)。
これからは図書館デートがインドア派カップルの定番になるかもしれませんね!
名称:千代田区立日比谷図書文化館
住所:東京都千代田区日比谷公園1-4
開館時間:平日10:00~22:00 土曜~19:00 日祝~17:00
休館日:第3月曜、年末年始、特別整理期間
問合せ:03-3502-3340(代表)
URL:https://hibiyal.jp/hibiya/index.html
Text/Fukusuke Fukuda