トランスジェンダー|おねえブームは終わったの?(後編)

Tomy 恋愛 istolethetv

 こんにちは。如月音流です。

 一年を4つに分けるとしたら、もう6月なので夏が始まったということですね。通りで、最近は暑くなってきたと感じています。
私は 四季の中では冬と春が好きです。夏は暑いですし日に焼けてしまいますし、秋はなぜか理由もなく少し物悲しい気分になります。
冬が好きなのは北海道生まれだからでしょうか? なぜか懐かしい気分になって、春はさくらや風が気持ちよいですね。

 春の次は夏、その次は秋と季節は移ろいでいきます。おねえブームも季節と同じように移ろいでゆくのでしょうか?

 前回、これまでおねえブームが3回あったとお話ししました。
そしてそれぞれの特徴を簡単にまとめましたが、今回のブームはこれまでのブームと少し違ったブームだったのではないかと思っています。それについて少し書いてみようと思います。

 言い方が正しいか不安はありますが、これまでおねえというイメージは簡単に言うと汚れ役、賑やかし役というか、ビジュアル勝負キャラ勝負だったように思っています。
それが今回のブームからは見た目の派手さ、キャラの立ち方だけではなく、アイデンティティと知性というポジションに変わったのではないかと感じています。

 今回のブームに関しては私は2006年頃に始まったと思っています。
そしてこの頃ちょうどLGBTという言葉も浸透し始め、これまでの差別的な扱いから一般の理解が得られてきた時期でした。
第三回おねえブームとLGBTの認知両方が相乗的に作用し、これまでのおねえのイメージではなく、アイデンティティと知性というポジションを確立したのではないでしょうか?

 ちょうどこの2006年頃に私が出演していたTV番組「おねえ★MANS!」という番組では、おねえの扱いをこれまでの汚れ役、賑やかし役といったポジションとは全く違った形での演出がされました。

 それは、おねえでありながら一芸に秀でている人。

 言うならば、オネエと専門家のハイブリッドです。なんかちょっとかっこいいですね。
この「おねえ★MANS!」という番組が始まるまでにも、もちろんおねえプラス一芸という方もいました。おすぎさんとピーコさんです。それぞれ映画評論家、服飾評論家としての顔も持ち活動していました。

 だとしたらもっと前から第三回おねえブーム始まってる? というとこれはまた少し違うと思います。
今回の第三回おねえブームは、LGBTという言葉(概念)の一般への浸透と相乗的な作用が起爆剤だと考えていますので、この時点ではまだブームには至っていない状態です。
これまでのキャラとしてのおねえとLGBTという言葉の浸透で、ハイセンスで知性があるというイメージが揃い、今回のおねえブームではハイブリッドおねえが量産されていくことになります。

 それはもうガンダムで言うところのジムみたいな感じです。

 そして、たくさんのハイブリッドおねえがテレビに出まくる時代がしばらく続きました。元教師おねえ、大家族おねえ、海外おねえ、数え始めるとキリがなく、おねえキャラが出ていないテレビ番組を見ない日はありませんでした。

 しかし、そうして出てきたハイブリッドおねえ自体も淘汰が始まります。
結局は、喋れる、仕切れる等よりテレビ的な人だけが、芸能の世界では残ったのではないでしょうか?
現在では、定番のおねえは安定的にテレビ出演していますが、前のようなおねえ100人みたいな特集番組はなくなりました。

 そうして今回のおねえブームは終焉しました。ですが、私は今回のおねえブームは終焉とは書きましたが、少しこれまでとは違う終わり方をしたのではないかと思っています。

 言葉を選ばずに言えば、これまでは飽きられたから終わった。しかし、今回は定着したから終わった。こう言えるのではないでしょうか?
もはやLGBTという言葉の浸透と、おねえという存在の認知はかなり進み、もはやおねえである事は普通になったのではないでしょうか?

 おねえが特別ではなくなり当たり前になる。私は、望ましい結果だと思っています。

Text/如月音流