おしゃれなパーティーでは
「何も言わせねえぞ」という服を着よう!
―『女の子よ銃を取れ』でセンスについて話をされていて、センスを身につけるのは本当に難しいと思うんですけど、お二人は表に出ることが多いじゃないですか。
この場合は解決法というか、気にならなくなる方法ってありますか?
お二人はすでにセンスを身につけている感はありますけど。
トミヤマ:ないないない(笑)。
雨宮:私、一回だけすごくおしゃれな雑誌に原稿を書いたんですよ。
同じ雑誌に山内マリコさんが書いていて、二人ともその雑誌主催のパーティーに呼ばれたんだけど、CHANEL協賛のパーティーで。マリコさんと「どうしよう、CHANELとか一個も持ってないよ~! 怖くて行けないよ~!」って(笑)。
センスのある人や、そういう場でおしゃれのエッセンスを吸収しよう、と思ってる人は、別に高い服じゃなくてもそういう場所に行くだろうし、自分なりに素敵に装って堂々としてると思うんだけど、怯えちゃって。
あの壁を乗り越えられなかった自分、かっこ悪かったですね。
トミヤマ:その壁、パーティーに行ったら案外サクっと乗り越えられていたのではと思いますが。
雨宮:パーティーってさ、自己紹介とかでもつまづくんですよ!
「どういうもの書かれてるんですか?」「えっと、自意識についてとか……」って意味わかんないじゃん(笑)。
わかりやすい楽しい会話ができないんですよね……。
トミヤマ:私は、その手のパーティーに参加するときは全身コムデギャルソンで固めていくって決めてる。
余計なことは考えないパターンです。
雨宮:出た~~!(笑)いいですね。「何も言わせねえぞ」ってファッション。
トミヤマ:コンセプトのある服に守ってもらうんです。そうすると「この人ギャルソンの人だ」って思われて終わりじゃないですか。
おしゃれスカウターで戦闘力をはかられる時間が少なくて済むから、すぐお互いの中身を知るための会話を始められるなと思っていて。
別にギャルソンじゃなくてもよくて、好きなブランドがあるんだったらそれで全身固めて行けばいいのではないかと。
いろいろなアイテムを組み合わせて自分らしさをプレゼンできてない奴だと思われるかも知れないけど、少なくとも統一感とか世界観は表現できるし、センスの有無が気にならなくなる方法っていったら、まずはそれかな。
雨宮:そういう場でいちいち傷つくのは、センスがいい人に見られたいって思っているからなんですよね。
私もイベントに出るときに「もう着る服がないな~」って思ったことがあって。
服がないわけじゃなくて、同じ服を二回着ちゃいけないと思ってることに気づいたとき、すごく恥ずかしくなったんですよね。
「お金を持っていて、色々な服を着こなせてる人」っていう風に見られたいと思ってたんだ! ってわかって、一人でカーッと赤面しましたね。
本当はそういう状態じゃないのに、そんなふうに外面を取り繕おうとしていたら大変なことになっていたと思うんですよ。
毎回イベントごとに高い服買うとか、無理じゃん。
トミヤマ:破産だよ、破産!(笑)
雨宮:見栄のために服買うのはつらいなと思いましたね。
ロフトプラスワンでいい服着てどうすんだよっていう(笑)。それ、全然かっこよくないじゃん。
芸能人でもないのに無理して必死になって取り繕うのって、あんまり良くないなって思ったんです。
何かを口実に欲しかった服をちゃっかり買っちゃうとかはいいんですけど。
【続きます!お楽しみに】
雨宮まみさん新刊『女の子よ銃を取れ』
トミヤマさんが「『女子をこじらせて』の続編だ!」と分析した『女の子よ銃を取れ』(平凡社)。 章を進むごとに、女子の外見に関する悩みや嫌なことが癒されていきます! 周囲の「かわいい」に圧迫されている方、ぜひ読んでみてくださいね。