「運がいい人」は「タイミングがいい人」

スムーズにいく恋愛は最高だ。出会ってから付き合うまで、付き合ってから一緒にやっていく過程で障害がなく、おたがいの思っていることが何でも分かる、何をやっても楽しいと思えるような恋愛。
だけど、そんな都合の良い話はそうそうない。

恋愛は色んな要素が絡み合う。彼はいま本命を作る気がないのかもしれない。遊びたい時期かもしれない。
元カノが忘れられないのかもしれない。冬は外に出たくない真性の冷え性なのかもしれない。あなたには好意を持っていても、ちょっと良い感じの女性が他にいるのかもしれない。
仕事や遊びのほうがまだまだ優先順位が高い段階なのかもしれない。

それは彼とあなたとの関係性の外にあるものだ。それはこっち側ではコントロール出来ない。
歯がゆいけれど、恋愛の成功はあなたに対する好意だけでは必ずしも決まらないのだ。

だからこそ、<ただ待ってみること>を覚えてほしい。
自分の力で何ともならないものをどうにかしようとするのは、玉砕覚悟の自殺行為と変わらない。
機を伺える能力というのは本当に大事なことだ。

「運がいい人」というのがいます。
彼らは抜群の引きを持っているのではなく、何をするにしても「タイミングがいい」人種なのだと思います。良いタイミングが来たときにその機会を逃さないで、しっかりと掴めている人のことなんでしょう。
“チャンスの女神は前髪しかない”ー時期を逃したらもう掴めない。早すぎても掴めない。この言葉がまさしくタイミングのことを語っているように。
世の中の物事だけではなく、人の感情には波がある。ずっと平坦で一貫性のある人間なんてそうそういない。誰しもが決意とその日の気分の狭間で揺れ動きながら生きている。
彼の気持ちがこちらに高まった瞬間を逃すなということ。

待ってみるというのは受け身になれという意味ではない。
あなた自身はちょっと気になる程度の人と、ちょっと浮ついたことをしてればいい。
自分から連絡を取ること自体も当然必要なことだ。彼の気分がこちらに向いているかを掴まなくてはいけないから。

無理にチャンスの前髪を掴みに行って、つんのめって転ぶなということだ。早く結果がほしくて恋愛自殺をしてはもったいない。

もし自分の心の拠り所にする小細工が欲しいのであれば、無理矢理に彼の気持ちをこちらに向かせる方向ではなく、待ちながら機を伺える自分になるスキルという目線で磨いてほしい。

彼に執着して自分を失わないように、普通の状態をキープできるようなテクニック。
別の相手や物事で当面の気晴らしをしながら、それでいて彼の気分を察知できるような関係を維持するようなライフスタイルを。

恋愛の始まりも終わりも、大敵は「待てないこと」。
自分の経験を振り返ったら納得してもらえるのじゃないでしょうか。大人の、本当の恋愛の最も大事な要素のひとつとして、これを読んだ人には身につけていってほしいなと思う。

Text/ファーレンハイト
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初出:2015.01.27