エロとゲームには共通点があった

僕と田中君は美咲さんのこの喘ぎ声に困惑するものの、あまりにも面白過ぎて3人して大笑いする3時間ほどを過ごした。多分、この空間の音声だけを録音ないしは中継した場合、男2人が人妻と3Pをしているかのような音声になったことであろう。だが、断じて我々はそのようなエロ行為はしていない。美咲さんが勝手に喘いでいただけである。

そうなると考えるのが、エロの際の女性の喘ぎ声と、こうした切羽詰まった状況の喘ぎ声は似たようなものなのではなかろうか、ということである。両方とも楽しいことをしているのは間違いない。そのうえで、若干の危機やらスリルがある。この両方を表現するのが「アァン」「アッー!」という喘ぎ声なのではないだろうか。

ぷよぷよというゲームは赤・緑・黄色・紫・水色の「ぷよ」を繋げていくゲームだが、美咲さんは出てきてほしい色についても「あぉッ(青)」やら、出てきてほしくない色が出てきた時に「アカんっ!(赤)」などと喘ぎ続ける。

さらには、途中から「オォォォォォ!」「Ohhhhhh!」とも絶叫し、この時、我々は「欧米か!」とツッコミを入れたのである。そして、ゲームが佳境に達するとエクスタシーを感じたのか「Ohooowふ!」というワケの分からないことまで喘ぎ声で言う。

なるほど、エロとゲームは娯楽という意味で同じだったのだな、とこの日感じ入ったのである。

Text/中川淳一郎