どうしてバックハグするの?

独占欲をセリフにすると、「お前は俺だけのものだ」ってことになりますよね。お散歩中のワンちゃんに例えるなら、マーキングみたいなもんですよ。電柱にオシッコをかけることで、「この縄張りはボクだけのものだワン!」とニオイを残す習性が備わっています。しかし人間の場合、オシッコを浴びせるわけにもいきません。

ほか、独占欲を満たす手段として「名前を書く」って方法もあります。小学生だって、持ち物に名前を書くことで「このハサミは僕のものだ」という意識が強くなるので。しかし、「俺の名前を肌に刻め!」とタトゥーを入れさせるわけにもいきません。

そこでバッグハグなのです。スポーツでも、背後を取った側が優位になりますよね。背中は人間にとって死角です。そこに回り込みをされちゃうと、こっちは羽交い絞め状態で身動きが取れなくなります。こりゃもう、完全に相手の独壇場となってしまうわけです。男女間におけるバックハグも、「背後を取ることで、俺の思うがままに……」という思惑のあらわれでしょうから、独占欲を象徴するボディタッチってことになります。

ホールド感が強いのは独占欲の表れ

むろん、全てのバックハグが独占欲によるものとは限りません。例外もあるでしょう。そこで見極めのポイントとなるのが「強度」です。ホールド感が強ければ、独占欲によるバックハグ! 包み込むような優しいハグならば、守りたいという気持ちが強いのでしょう。レスリング経験者の場合だと、優しく包み込んでいるつもりでも、女性にとっては「ホールド感が強い……こりゃ独占欲によるものだな」って感覚になりますが、まぁそれはポジティブな勘違いってことで。

Text/菊池美佳子