愛情たっぷり受けたい犬山さんと、愛が重く感じるまんきつさん

犬山紙子 まんしゅうきつこ クリスマス 悲しい 理想と現実 まんきつさんの力説する様子を神妙な面持ちで聞く犬山さん

犬山:私の理想のクリスマスは好きな男と二人で美味いもん食べたい。 しかも、ごはんは全部彼の手作りのディナー、フルコースっていうのを食べたい。

まんきつ:…。

犬山:私のために、朝からシチューを作ったり、チキン焼いたりしてくれていて、帰ったら「○○(彼の名前)のお店へ、ようこそー」とか言って、料理が出てきて、「私のために一生懸命これ作ったんだよな…」とか思いながら、食べたい。で、「お駄賃」って言って、2万円ぐらい金をあげる。
更にプレゼント用意して、「○○君のところにしゃんたしゃんは来るかなー?」とか言って「良い子にしてたからくるもん!」とか無理やり言わせたい。オッサンに。

まんきつ:…。

犬山:バカにしてるんでしょー! もうヤダー(笑)

まんきつ:違うよ! 本当にかわいいと思って聞いていたよ。
私、会っていないときも「ああ今、犬山さんは何してるかな~」とか、「犬山さんに会いたいな~」て時々思うくらいだよ! というか、むしろ最近は、犬山さんの異常なまでの器のデカさに狂気すら感じているよ…。

犬山:人の愛情が重いとか、そういう風に嫌がる人いるでしょ。私あんまりその感覚がわかんないもん。

まんきつ:私は重いのはイ…イヤなんだな。

犬山:なんで? (裸の大将みたいだな…)

まんきつ:同じくらいに返さないといけないという強迫観念に悩まされそう。

犬山:私の理想のクリスマスやられたら、どう思う?

まんきつ:料理を作ってくれた相手に申し訳ないと思う…。あと、そういう状況に照れちゃうというか。
実は、似たようなことが一回あって。
誕生日とかを祝われることが「すごく嫌い」だっていうことはさんざん旦那に言ってあったし、結婚式もやらなかったから、旦那は充分知っているはずなのに、誕生日当日、家に帰ってきたら、旦那のお母さんのお家に呼ばれて…、みんなで私の誕生日会をしてくれたんですよ。
で、そこでは「わあ…ありがとうございます」って言ったんですけど、後で家に帰ってから、旦那に「なぜ誕生日を祝った…」って、泣き崩れちゃいまして。

犬山:(笑)

まんきつ:「……誕生日祝わないでって…あんなに言ったのに…!!」って、本気で怒っちゃったの。自分でも抑えられないくらい。

犬山:(笑)

まんきつ:旦那は良かれと思ってやってくれたから、あの時は旦那に悪いことしちゃったな…。

犬山:やだ、マジキチ…。でも、AM読んでる人は共感する人結構いそうだな…。

まんきつ:それからは誕生日を祝われなくなりました。

犬山:そういう人って…

まんきつ:可哀想でしょ、過剰な自意識だから私はダメなんだと思う。

犬山:可哀想っていうか、まんきつさん見ていたら、美人だけど、自己評価アホみたいに低いんですよ。

まんきつ:あはは(笑)

犬山:自己評価が低い人ほど、そういうの嫌がる傾向あるなーと

─でも、そしたら結構半端なく低くないですか?

犬山:まんきつさんね、たぶん自分のことノミとかだと思っていると思う。

まんきつ:ノミとは思ってない(笑)

犬山:(笑)。でも本当低いよね。

【次回に続く】
次回はとうとう最終回。お楽しみに!

Text/AM編集部

犬山紙子
1981年生まれ。エッセイスト。2011年、美人なのになぜか恋愛がうまくいかない女たちの悲惨で笑えるエピソードを描いた イラストエッセイ『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。その後は「負け美女研究家」としてテレビ、雑誌、ラジオなどの各種メディアで活躍。現在『週間SPA!』『Gina』などでコラムを連載中。
ブログ:犬山紙子のイラストエッセイ 負け美女
ツイッター:@inuningen

まんしゅうきつこ
漫画家。友人である「東京都北区赤羽」の作者、清野とおる氏のすすめではじめたブログが一躍人気に。以来、雑誌、WEBメディアで活躍中。
ブログ:まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど
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